044-322-9381

月~日:9~13時、14時半~19時半
※土日は18時まで 定休日:祝日

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強迫性障害とTMS治療

強迫性障害の症状のイラストになります。

強迫性障害は、お薬や心理療法の治療でも難渋することが多く、患者さん本人の苦しみも深い病気になります。

そのような強迫性障害において、TMS治療がアメリカで正式に適応が認可されています。

ただしその治療方法は特殊で専門性が必要となり、刺激部位やデバイスが他の病気とは異なり、deepTMSと呼ばれる深部刺激法になります。

強迫性障害の患者さんの症状は様々で、オーダーメイドに治療方法を検討する必要があります。

当院では、強迫性障害に対するdeepTMS治療を日本で初めて治療導入したクリニックになります。

これまでの臨床経験も生かしながら、TMS治療成績を向上させるべく励んでいます。

また、強迫性障害に伴ううつ状態に対しては、一般的なTMS治療での改善が期待できます。

治療に難渋することが多い強迫性障害で、rTMS治療で期待できる効果やその方法などを詳しくお伝えしていきます。

強迫性障害とは?

強迫性障害とTMS

強迫性障害は、気になってしまったことが頭から離れず(強迫観念)、わかっていながら何度も確認をしなければ気が済まない症状(強迫行為)です。

例えば、玄関の鍵をかけたが不安になって家まで戻ってしまったり、ガスコンロの火を消したかが気になって何度も確認に戻ってしまったり、ということが起こります。

一度くらいなら誰しも経験があるでしょうが、それが何度も繰り返し起こり、日常生活に支障が出るようになる場合があるのです。

「確認しないと気が済まない」「考え出すと頭から離れない」という状態が続き、精神的に疲弊したり、不便さを感じたりする場合は、適切な治療が必要となります。

強迫性障害は治療の難しい病気のひとつで、こうしたことが日常的に起こることでうつ病などが合わさってしまうことも少なくありません。こうした病気が併発することで、さらに治療が難しくなる苦しみの深い病気です。

強迫性障害について詳しくは、強迫性障害のページ(武蔵小杉こころみクリニックHP)をご覧ください。

強迫性障害に対するrTMS治療方法と費用

強迫性障害と合併するうつ状態に対して、TMS治療の方針をイラストにしました。

強迫性障害に対するrTMS治療は、通常の方法ではうつ症状に対する治療効果を期待することができます。

当院では、強迫症状そのものの改善を目指したdeepTMS治療を行うことができます。

強迫性障害は非常に治療が難しい病気で、お薬の治療を行ってもスッキリ良くなることは少ないです。

それでもお薬で症状を軽減させて、地道に行動療法を積み重ねていく必要があります。

通常のTMS治療で期待できる効果

通常のTMS治療では、

  • お薬の治療と心理治療の効果を高める
  • お薬と相性が悪い場合の治療
  • うつ状態の改善

といった目的で活用ができます。

うつ状態に対するTMS治療プラン

うつ状態が強迫症状を強めてしまうこともあります。ですからうつ状態を伴っている場合は、まずはその改善を目指して以下のような刺激を行っていきます。

  • 左背外側前頭前野への高頻度刺激
  • 右背外側前頭前野への低頻度刺激

通常のうつ病と同じように治療をおこなっていきます。

うつ病とTMS治療

強迫症状自体の改善を目指す特殊TMS治療

強迫性障害に対するTMSは、deepTMS(dTMS)と呼ばれる特殊な治療法になります。

うつ病でのTMS治療とは、その刺激部位と方法が異なっています。

まず刺激部位ですが、前帯状皮質(ACC)と背内側前頭前野(dmPFC)になります。

刺激強度(RMT)を測定するための場所も、親指ではなく足(足首)になります。

うつ病では120%の強度になるべく早く高めていくべきですが、強迫性障害では100%まで少しずつ上げていく必要があります。

深い刺激のためエネルギーが強く、痛みや不快感が強いためです。

刺激頻度は、現在FDAに承認されているものは20Hzの刺激を断続的に18分行います。

当院でのTMS治療費

当院の治療費については、機械の使用時間をもとに設定しております。

  • 左高頻度刺激:10分枠 4,950円(税込)※継続3,300円~
  • 右低頻度刺激:20分枠 8,250円(税込)※継続6,600円~
  • 右低頻度刺激:30分枠 13,200円(税込)※継続9,900円~
  • deepTMS刺激:30分枠 13,200円(税込)※継続9,900円~

強迫性障害の特殊TMS治療については、刺激時間そのものは18分となりますが、治療にあたってデバイスの交換が必要であることや、強迫刺激への暴露が必要なことから、30分枠でのご案内となります。

治療費について詳しくは、TMS治療費のページをご覧ください。

TMSのエビデンス(強迫性障害)

強迫性障害に対するTMS治療のエビデンスをご紹介します。

論文について詳しくは、【強迫性障害rTMSの様々な皮質ターゲットでの有効性のメタアナリシス】をご覧ください。

こちらの論文によれば、強迫性障害でのdTMSのターゲットとしては補足運動野(SMA領域)が有望とされています。

そしてその刺激頻度は、高頻度よりも低頻度とされています。そして治療効果も持続することが示されています。

現在の治療法のエビデンス

現在の強迫性障害でFDAに承認されている治療プロトコールは、前帯状皮質(ACC)および背内側前頭前野(dmPFC)に対する20HZ高頻度刺激になります。

こちらは規模が大きく質の高いRCTで治療効果が示されたため、正式に適応が認められました。

強迫性障害でのTMS治療がFDAに認可された論文結果をご紹介します。

TMS治療を行った患者の38.1%が症状の重症度を30%以上軽減し、54.8%は症状の重症度が20%以上減少しました。【強迫性障害でのrTMS治療の有効性と安全性:前向き多施設ランダム化二重盲検比較試験】

このように強迫性障害でのTMS治療は、まだまだ探求中です。

より効果が期待できる刺激部位がないか探索されており、SMA領域への低頻度刺激がより良いターゲットとなる可能性があります。

当院ではマグベンチャー社のマグプロを導入しており、2020年8月に2番目にFDA認可を受けたTMSデバイスになります。【FDAでのmagproの認可】

TMS治療のポイント

強迫性障害のTMS治療をイラストにしました。

まず大切なこととして、うつ病と強迫性障害では病気の経過が大きく異なることです。

強迫性障害では自然に良くなることは基本的に難しく、また治療に対しての反応もよくありません。

薬物療法と心理療法をしっかりと行っても、重症度が30~50%減少することは良好な反応といえます。

30%の改善を目指す

強迫性障害での治療ゴールはうつ病と異なり、30%の症状の改善を目指すこととなります。それでも30%の改善は、生活の質を大きく改善します。

2018年に適応されたBrainswayでのデータでは、50人中32人(64%)が良好な改善を示していると報告されています。

TMS治療にエネルギーが必要

治療にあたっては、強迫刺激を引き起こさせるほうが有効性が高まることが報告されています。

はじめはTMS治療自体に慣れていくことが必要ですが、少しずつ治療に慣れてきたら挑戦することも検討が必要です。

また標準的な治療としては、週5回6週間での集中治療が望まれます。少なくとも週3回以上の治療が必要です。

治療効果が続く場合は、1~2週間の延長していきます。

どのような方法がよいかは定まっていませんが、維持療法が推奨されています。

標準治療の効果増強として

まずは薬物療法や心理療法を行っていき、その効果増強の目的でTMS治療を使っていくことが一般的です。

うつ病などを合併している場合は、まずはその治療を行って安定させる必要があります。

まずはうつ病の治療目的でTMS治療を行い、その後に強迫性障害に対するTMS治療にシフトさせていくこともできます。

【アメリカの臨床TMS協会HP】

薬物療法と治療の考え方

強迫性障害の治療としては、抗うつ剤を主とした薬物治療が基本になります。

抗うつ剤(SSRIや三環系抗うつ薬のアナフラニールなど)を使っていきますが、強迫性障害ではお薬の反応が認めにくいため、十分量を使っていく必要があります。

治療の考え方

薬物療法にあわせて、心理療法を行っていくことが一般的です。具体的には、暴露反応妨害法などの認知行動療法になります。

暴露反応妨害法とは、強迫観念に関係する状況にさらして、強迫行動を起こさないように我慢していく行動療法になります。

暴露反応妨害法について(本院HP)

このように治療を行っても、いわゆる寛解とよばれるスッキリと良くなることは少なく、30%くらいの方は十分な治療効果を得られないといわれています。

このような経過のなかでうつ状態が重なってしまうことが多く、強迫性障害のうつ状態では、TMSも治療選択肢になります。

重症度と有病率

強迫性障害の重症度についてイラストにしました。

典型的な強迫性障害は、強迫観念と強迫行為を特徴とする病気になります。

病気の症状を客観的に認識できているかどうかで、病気の重症度がかわります。

軽度の方は、強迫症状を「バカバカしい」と感じています。しかしながら重度の場合は、強迫症状は「真実」と思い込んでしまい、ひどい場合は妄想的であることがあります。

またアメリカのデータでは、強迫性障害の患者のおよそ半分(50.6%)が重度となっており、年間有病率は1.2%、生涯有病率は2.3%となっています。

44人に1人が強迫性障害を経験すると考えれば、決して少ない病気ではありません。

強迫性障害の原因

強迫性障害に近い強迫スペクトラム障害である抜毛症や皮膚むしり症のイラストになります。

最後に、強迫性障害の原因についてみていきましょう。

強迫性障害の原因は正確なところはわかっていません。しかしながら不安の病気とは質が異なると考えられています。

強迫性障害に近しい病気として、以下のような病気があります。

  • 抜毛症
  • 皮膚むしり症
  • 身体醜形障害
  • ため込み障害

これらの強迫性スペクトラム障害と呼ばれている病気は、不安の病気とは質の異なる脳の異常があるのではと推測されています。

強迫性障害の脳の機能異常

強迫性障害を抱えている人の脳では、CSTC回路と呼ばれるセロトニンに関する神経機能の働きが異常をきたしているという研究結果が出てきています。

CSTC回路(皮質-線条体-視床-皮質)は、皮質皮質下領域(脳の表面と奥)の複数のネットワークになります。ここでは、どの行動が重要でどの行動が不要かを判断しています。

このCSTC回路には、背外側前頭前野(DLPFC)、眼窩前頭皮質(OFC)、内側前頭前野(mPFC)、帯状回、尾状核、線条体、視床などが含まれます。

これらのうち、内側前頭前野(mPFC)と前帯状皮質(ACC)は強迫症状が生じているときに過活動となっていることがわかっています。

deepTMSによる治療メカニズム

強迫性障害のTMS治療でのターゲットは、ACCとDMPFCになります。

deepTMS治療によってCSTC回路の働きを抑制し、強迫症状の改善を期待していきます。

「低頻度刺激は抑制に高頻度刺激は興奮に働く」と考えられていますが、高頻度刺激が中長期的な変化を引き起こして抑制に働くこともあります。(ニコチン依存症での左DLPFC高頻度刺激など)

このためmPFCとACCに対する高頻度か低頻度のどちらが有効かを調査したところ、高頻度刺激(20Hz)の方が効果が認められました。

これを受けて、前帯状皮質(ACC)に対する20HZ高頻度刺激が、アメリカで正式に認可されたプロトコールとなりました。【OCD患者のmPFCとACCへのdTMSの臨床的電気生理学的アウトカム】

最近では、身体に近い感覚情報(体性感覚)を処理して運動することに関係している補足運動野(SMA)も治療ターゲットとして優れた結果が示されています。

一方で、うつ病などのターゲットであるDLPFCは、現時点で強迫症状に対する効果はよくわかっていませんが、うつ症状を伴っている場合に両側DLPFC刺激を行うことで、うつ症状の改善と合わせて治療効果が認められたとする報告はあります。。

強迫性障害の重症度が低く、強迫症状への抵抗ができる方の方がTMS効果が期待しやすいという研究報告があります。

【薬剤耐性OCDでのrTMS治療に対する有効性と臨床反応予測因子:後ろ向き研究】

TMS治療をご検討の方へ

強迫性障害は、お薬もなかなか効果が発揮され、治療の難しい病気のひとつです。

アメリカではうつ病と並んで正式に適応が認められ、新しい治療選択肢としてTMS治療が期待されています。

当院では、強迫性障害のうつ状態に対するTMS治療と、強迫症状そのものの改善を目指すdeepTMS治療の両方を行うことができます。

適切なTMS治療を行っていくためには、TMS治療の知見はもちろんのこと、前提となる心の治療経験が非常に大切です。

当院には12名の精神科医が在籍していますが、両方に精通した医師2名のみ(2021年1月現在)が担当させていただきます。

TMSは治療選択肢のひとつとして、患者さんの立場に立ってご相談させていただきます。

TMS治療にご興味お持ちの方は、東京横浜TMSクリニックにご相談ください。

執筆者紹介

大澤亮太の画像

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医

初診の方は専用ダイヤルへ

初診は武蔵小杉こころみクリニックで
医師による診察を行います。

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