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慢性疼痛(線維筋痛症)とTMS治療

慢性疼痛の症状をあらわすイラストです。

痛みにTMS治療は、「おそらく効果があるだろう」と考えられていますが、正式な適応には至っていません。

痛みにも種類が様々ありますが、神経因性疼痛ではエビデンスレベルA、線維筋痛症ではエビデンスレベルBになります。

刺激の方法はうつ病とは、ターゲットや強度が異なる場合があります。

慢性疼痛で苦しまれている方にTMS治療は選択肢のひとつとなる可能性が高まっていますが、まだその方法や効果については検証中になります。

ここでは慢性疼痛や線維筋痛症についてみていき、お薬に頼らないTMS治療の可能性についてお伝えしていきたいと思います。

線維筋痛症とは?

線維筋痛症の5つの症状をイラストにしました。

線維筋痛症とは、原因がよくわからない慢性疼痛に悩まされる病気になります。

その背景には痛みを脳に伝えるシステム(アクセル)と痛みを抑えるシステム(ブレーキ)のバランスの異常があると考えられています。

脳内の痛み神経に炎症が起こっていることが分かってきていて、そのために些細な痛みを強く感じてしまうといわれています。

線維筋痛症の症状

線維筋痛症の症状としては、大きく5つあげられます。

  • 慢性的な痛み(3か月以上)
  • 強い倦怠感・疲労感
  • 関節や筋肉のこわばり(炎症はみられない)
  • 抑うつ気分
  • 睡眠障害

線維筋痛症の診断の実際

このような病気を線維筋痛症と呼びますが、原因がはっきりしない慢性疼痛を線維筋痛症と診断されることが多いです。

こころの病気としては、ストレスが痛みとなって表現される疼痛性障害がありますが、線維筋痛症に含まれている場合もあります。

このように線維筋痛症は、様々な背景の慢性疼痛が含まれています。

慢性疼痛(線維筋痛症)に対するTMS治療方法と費用

神経因性疼痛の代表例をイラストにして紹介します。

痛みにも種類があります。

それによってTMS治療が効果的かのエビデンスも異なり、また方法も異なります。

TMS治療の効果が期待できる慢性疼痛としては、

  • 神経因性疼痛
  • 線維筋痛症

こちらの2つがあります。

神経因性疼痛のTMS治療プラン

神経因性疼痛は神経障害性疼痛ともよばれ、何らかの原因によって神経が障害されて生じる痛みになります。

様々な種類の痛みが考えられ、

  • 帯状疱疹後神経痛
  • 坐骨神経痛
  • 頚椎症や腰椎ヘルニアによる神経痛
  • 糖尿病性神経障害での痛み
  • 手根管症候群での痛み

これらが挙げられます。

これらの神経因性疼痛に対しては、痛みと反対側の一次運動野の(M1)の高頻度刺激がエビデンスレベルAとして明確な有効性があるとされています。

ただし顔面痛のある場合は、その領域より手で刺激したほうが効果があったという報告もあります。
【神経因性疼痛における運動皮質rTMSの鎮痛効果の体性機能の局在機構】

このため、手の領域を中心とした反対側のM1をターゲットに、高頻度刺激することが治療法となります。

刺激強度は運動野はけいれん発作にもつながりやすく、rMTの80~90%で行います。

※当院では、現時点では実施していません。

線維筋痛症のTMS治療プラン

線維筋痛症では、大きく2つの刺激法の効果が期待されています。

左一次運動野(M1)と左背外側前頭前野(DLPFC)に対する高頻度刺激になります。

しかしながら、いずれもエビデンスレベルはBとなっており、まだ有効性が確立できていないのです。

その状況を踏まえると、気分の落ち込みを伴っているような場合に、左DLPFC刺激を行うことが治療的価値があると考えられます。

このため線維筋痛症についてのTMS治療としては、以下の方法が行われます。

  • 左背外側前頭前野への高頻度刺激

線維筋痛症に対するエビデンスが十分とは言えないため、基本的にはうつを伴う場合にTMS治療を検討していくべきです。

当院でのTMS治療費

当院の治療費については、機械の使用時間をもとに設定しております。

  • 左高頻度刺激:10分枠 4,950円(税込)※継続3,300円~

治療費について詳しくは、TMS治療費のページをご覧ください。

慢性疼痛でのTMSのエビデンス

慢性疼痛・線維筋痛症とTMS治療のエビデンスをご紹介します。

論文について詳しくは、【慢性難治性疼痛における非侵襲的TMS:システマティックレビュー】をご覧ください。

こちらの論文によれば、慢性疼痛に対しては反対側の一次運動野(M1)に対する高頻度刺激の効果が示されていて、その効果は持続すると報告されています。

その一方で、うつ病などでターゲットとなるDLPFCに対する低頻度刺激は効果が一定していませんでした。

慢性疼痛に対するエビデンスは高まってきている

神経因性疼痛に対する反対側の一次運動野(M1)の高頻度刺激は明確な効果がしめされたため、エビデンスレベルAとなっています。

そして鎮痛効果に対しては、より長いセッション期間と連続治療が望ましいという結果となっています。
【rTMSの治療的使用に関するエビデンスに基づくガイドライン:更新版(2014–2018)】

例えば帯状疱疹後神経痛では、40人をランダムにわけてM1高頻度刺激を行ったところ、偽刺激に比べて痛みが改善され、3か月で平均45~50%の痛み軽減効果が持続し、半数以上の治療反応が認められました。プラセボと比較して―16.89%となりました。
【高頻度反復経頭蓋磁気刺激は帯状疱疹後神経痛の痛みを軽減】

また悪性腫瘍のある30名をM1高頻度刺激と偽刺激で比較したところ、80%以上に反応が認められ、2週間後に平均35~40%の痛み軽減が認められましたが効果が1か月以上持続しませんでした。
【悪性腫瘍に続発する神経因性疼痛におけるrTMS:ランダム化臨床試験】

慢性と痛でのTMS治療の効果のエビデンスをイラストにまとめました。

線維筋痛症にも効果が期待できるかもしれない

線維筋痛症については、以前から左M1と左DLPFCに対する高頻度刺激での研究が行われてきましたが、同じ研究グループの有効性に関する発表のみで再現性がなく、TMS治療は推奨されていませんでした。

近年の研究によって、どちらもエビデンスレベルBとなっており、結果を支持する論文はあるけれどもレベルは低く、さらなる研究が望まれるています。

線維筋痛症の38人に左M1高頻度刺激と偽刺激で比較し、痛みは変わらなかったが生活の質が改善したという報告がなされました。
【線維筋痛症におけるrTMS:QoLと脳代謝物質を比較するランダム化試験】

一方で左DLPFCについては、倦怠感が大きな改善が認められ、TMS刺激が痛み刺激の30%の改善を達成する可能性が2.84倍高いという結果が報告されています。
【線維筋痛症の倦怠感の改善のエビデンス:4週間の左DLPFCrTMSのランダム化比較試験】

このようにみると、左DLPFCは痛みに、左M1では生活の質に対してより効果的であるように思われます。

その一方で、2016年に発表された論文では、反対に左M1は痛みに、左DLPFCはうつ病の改善に効果的という結論もだされています。
【線維筋痛症における非侵襲的脳刺激による効果:ランダム化資格試験のメタアナリシスとメタ回帰】

舌痛症にも有効という報告はあるが不明

舌痛症の20人(治療群12人、偽治療群8人)に対して左DLPFC高頻度刺激を行ったところ、2か月で痛みの強さは67%減少し、75%の方は50%を超える痛みの改善が認められたと報告されています。
【舌痛症に対する連日前頭前野rTMSの有効性:ランダム化比較単盲検試験】

ですがサンプルは少なく、これをもって治療効果があるとはいえません。

線維筋痛症に対する薬物療法

線維筋痛症では、痛み止めや抗うつ剤などによる薬物治療を中心に、運動療法や心理療法などを組み合わせながら治療をすすめていきます。

痛み止めとしては、アセトアミノフェン(カロナールなど)やトラムセットなどの弱オピオイド、ノイロトロピンなどが使われます。

抗うつ剤としては、サインバルタなどのSNRI、トリプタノールなどが使われます。

それ以外にも睡眠薬などが補助的に使われることも少なくなく、心身をトータルで治療していきます。

治療の考え方

このように、痛みは心からくる部分もとても大きいです。うつ病患者さんの6割に何らかの痛みがあるといわれるように、ストレスは痛みと深い関係があります。

ですから痛みを抑えるだけでなく、運動療法や痛みを中心とした認知行動療法などを地道に行っていくと、治療効果がみられることがあります。

痛みの治療は長引くことが多く、そして痛みは生活の質(QOL)を大きく損なってしまいます。

TMS治療は、そのような痛みの治療選択肢のひとつとして、可能性が探求されています。

TMS治療をご検討の方へ

TMS治療の効果の強みと、向いている患者様をまとめた図表になります。

慢性疼痛には、TMS治療の効果が期待されています。

また痛みは苦しみが深く、特にうつ症状を合併している場合には、TMSも治療選択肢として効果が期待できます。

当院には10名の精神科医が在籍していますが、両方に精通した医師4名のみ(2021年9月現在)が担当させていただきます。

TMSは治療選択肢のひとつとして、患者さんの立場に立ってご相談させていただきます。

TMS治療にご興味お持ちの方は、東京横浜TMSクリニックにご相談ください。

執筆者紹介

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大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医

   

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