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rTMSの治療的使用に関するエビデンスに基づくガイドライン

こちらの論文は、

のページに引用しています。

エビデンスレベルAとBはTMS治療の効果が期待できる

こちらの論文は、ヨーロッパの専門家が論文をまとめて、治療効果が期待できるエビデンスを整理したものになります。

2014年にもまとめられていて、今回は2018年までの論文をふまえてup dateしたものになります。

【rTMSの治療的使用に関するエビデンスに基づくガイドライン】

エビデンスAは明確に有効性(definite efficacy)が示されている治療法で、エビデンスBは有効性の可能性(probable efficacy)がある治療法になります。

ここで注意が必要なのは、エビデンスAがBに比べて、効果量として優れているわけではないことです。

本当に効果があるかを判断するには、精度の高い研究と症例数が必要となります。

例えば明らかに有効性が高い治療法があったとしても、症例数がすくなければエビデンスは示されないのです。

ですがこちらを参考にすれば、どのような病気に対してどのような治療法が適切かがわかります。

少なくともこれらの病気以外に対しては、まだ研究レベルの実験的な方法であり、治療として行うのは倫理的でないということが分かります。

もちろんこの報告は2018年までの研究に基づくもので、2年の蓄積で変わっている部分もあります。

当院のホームページでは、最新の論文に基づいて情報更新しておりますので、こちらのガイドラインとは多少の違いもあります。

例えば、ニコチン依存症や強迫性障害はこちらの論文ではレベルCですが、その後の大規模研究を経てエビデンスが示されて、2020年にアメリカFDAで正式に認可を受けています。

こちらの論文での意義としては、

  • うつ病では左高頻度>右低頻度のエビデンス
  • 痛みの治療に対しては有望かもしれない

この2つが、私たちのようなクリニックでのTMS治療を行うにあたっては意義があります。

サマリーのご紹介

TMSのガイドラインの論文ご紹介

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。

欧州の専門家グループは、2014年に発表された反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)の治療効果に関するガイドラインを再評価した[Lefaucheurら、Clin Neurophysiol 2014;125:2150-206]。

これらの最新の推奨事項は、2014年以前のデータを含むすべてのrTMSの出版物、および2018年末までの文献で現在レビューされているものを考慮に入れている。

レベルAのエビデンス(明確な有効性)にあたるものは以下である。

  • 神経障害性疼痛における疼痛側とは反対側の一次運動野(M1)に対する高頻度(HF)rTMS
  • うつ病における8の字型またはH1コイルを用いた左背側前頭前野(DLPFC)に対するHF-rTMS
  • 脳卒中の急性期後における手の運動回復を目的とした傷害反対側のM1に対する低頻度(LF)rTMS

レベルBのエビデンス(有効性の可能性あり)にあたるものは以下である。

  • 線維筋痛症における左M1またはDLPFCに対するHF-rTMSによるQOLの改善または疼痛の改善
  • パーキンソン病における両側M1領域または左DLPFCに対するHF-rTMSによる運動障害の改善または抑うつの改善
  • 脳卒中の急性期後の運動回復促進を目的とした傷害同側側M1に対するHF-rTMS
  • 多発性硬化症における下肢痙縮に対する下肢運動野を標的とした間欠的シータバースト刺激
  • 外傷後ストレス障害における右DLPFCに対するHF-rTMS
  • 慢性脳卒中後非流暢性失語症における右下前頭回に対するLF-rTMS
  • うつ病における右DLPFCに対するLF-rTMS
  • うつ病における右側LF-rTMS(または連続シータバースト刺激)と左側HF-rTMS(または間欠的シータバースト刺激)を組み合わせたDLPFCに対するbihemispheric刺激。

他の条件でのrTMSの有効性については、レベルA/Bのエビデンスには達していない。

現在の推奨事項は、十分な数の独立した研究で再現された治療群と偽治療群のrTMSプロトコルの治療効果の違いに基づいている。

このことは、rTMSによってもたらされる利益が必然的に臨床的妥当性のレベルに達することを意味するものではない。

TMSの2014-1018ガイドラインのまとめ

表 20.  臨床での適応に応じたrTMSの有効性に関する推奨事項のまとめ
神経障害性疼痛 疼痛側と反対側のM1に対するHF-rTMSでは明確な鎮痛効果を示す(レベルA)。一方で、LF-rTMSではおそらく効果がない(レベルB)
複合性局所疼痛症候群1型 疼痛側とは反対側のM1に対するHF-rTMSは鎮痛効果を示す可能性がある(レベルC)
線維筋痛症 線維筋痛症患者のQOL向上に関して、左M1に対するHF-rTMSが有効性を示す可能性がある(レベルB)
線維筋痛症 線維筋痛症に関して、左DLPFCに対するHF-rTMSは鎮痛効果を示す可能性がある(レベルB)
パーキンソン病 パーキンソン病患者の運動症状に関して、両側M1領域に対するHF-rTMSは有効である可能性がある(レベルB)
パーキンソン病 パーキンソン病患者に関して、左DLPFCに対するHF-rTMSは抗うつ効果を示す可能性がある(レベルB)
motor stroke 急性期後手指運動回復に関して、傷害反対側M1に対するLF-rTMSは明確な効果を示す(レベルA)
motor stroke 急性期後手指運動回復に関して、傷害同側M1に対するHF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルB)
motor stroke 慢性期手指運動回復に関して、傷害反対側M1に対するLF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
脳卒中後失語症 慢性期の非流暢性失語症回復に関して、右IFGに対するLF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルB)
半側空間無視 急性期後脳卒中における半側空間無視の回復に関して、傷害反対側左頭頂部に対するcTBSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
多発性硬化症 下肢痙縮において最も影響を受けている下肢とは反対側のM1(または両側M1)の下肢領域に対するiTBSは有効性を示す可能性がある(レベルB)
てんかん てんかん病巣に対して、LF-rTMSは抗てんかん効果を示す可能性がある(レベルC)
アルツハイマー病 アルツハイマー病患者の認知機能、記憶力、言語レベルを改善するためのマルチサイトrTMS-COGは特に軽度・早期段階で有効性を示す可能性がある。(レベルC)
耳鳴症 慢性耳鳴症に関して、左半球聴覚野(または患部とは反対側の聴覚野)に対するLF rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
うつ病 8の字型コイルまたはH1コイルを用いた大うつ病における左DLPFCに対するHF-rTMSは明確な抗うつ効果を示す(レベルA)
うつ病 大うつ病に関して、左DLPFCに対する深部HF-rTMSは明確な抗うつ効果を示す(レベルA)
うつ病 大うつ病に関して、右DLPFCに対するLF-rTMSは抗うつ効果を示す可能性がある(レベルB)
うつ病 大うつ病に関して、DLPFCに対する両側右側LF-rTMSと左側HF-rTMSは抗うつ効果を示す可能性がある(レベルB)
うつ病 大うつ病に関して、DLPFCに対する両側右側cTBSと左側iTBSが抗うつ効果を示す可能性がある(レベルB)。一方で、片側右側cTBSは効果がない可能性がある(レベルC)
うつ病 下記の比較では抗うつ薬の効果に差がない可能性がある(レベルC)。右LF-rTMS vs. 左HF-rTMS、DLPFCに対する両側rTMS vs. 片側rTMS、およびrTMSの単独使用 vs. 抗うつ薬との併用
心的外傷後ストレス障害 心的外傷後ストレス障害に関して、右DLPFCに対するHF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルB)
強迫性障害 強迫性障害に関して、右DLPFCに対するLF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
統合失調症幻聴 統合失調症の幻聴に関して、左TPCに対するLF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
統合失調症陰性症状 統合失調症の陰性症状に関して、左DLPFCに対するHF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)
依存症および渇望 タバコの渇望と消費に関して、左DLPFCに対するHF-rTMSは有効性を示す可能性がある(レベルC)

それ以外の条件では、「勧告がない」、つまり勧告を行うのに十分なデータがないことを意味するが、効果がないことを示すエビデンスがあることは意味しない。

我々の以前の研究(Lefaucheurら、2014年)から変更した勧告は太字で示した。

カテゴリー:ブログ  投稿日:2021年1月3日

   

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