【適応障害⑲】10代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/7月~X年/8月の24日間
- 主訴:頭が常にぼーっとしてる感覚がある。以前の様に勉強に身が入らない。決断力が落ちてしまった。頭を使うと、疲れて横になりたくなる。文章がスムーズに読めなくなった。
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS(1,200発/回)を30回
これまでの経過
精神科・心療内科は初診の患者様です。診察の結果、認知機能低下を伴う抑うつ症状が認められました。
大学受験のため短期集中治療のご希望があり、当院でのTMS治療導入となりました。
服薬中の薬剤はございませんでした。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時は、「回復してきた。集中力戻った感じ。文章読めるようになった」とお話されていました。
副作用として時折頭痛が見られましたが、イライラ感や不眠の増悪はなく経過されていました。
TMS20回終了時は「完全回復した。勉強もできている。前と同じ感じ」とご体感を表現されていました。
勉強も1日10時間取り組むことができ、睡眠や食事の状態もよくなってきたとのことでした。
TMS30回終了時は「すごく効果を実感しています」とのご感想がございました。
落ち込みも低減し、勉強や趣味も継続できているとのことでした。心理検査上でも抑うつ症状の改善が認められました。
当院でのTMS維持治療へ移行することとなりました。
症例のまとめ
週4日のペースで、1日2回治療も交えながら30回の治療を終えられました。
当院までの往復の距離があったため、治療開始前は受験勉強と両立して通院できるかどうか心配される様子がございました。
しかしながら、治療初期の段階から変化のご体感が得られたことで、治療のモチベーションに繋がったようでした。
治療終了までペースを崩さず通院することができ、TMS治療の効果を十分に引き出せたものと思います。
抑うつ状態に対するご自身の気づきと、早期受診、短期間での集中治療が奏功した症例となりました。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2022年12月23日