【うつ病㊷】10代女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/8月~X年/10月の75日間
- 主訴:気分の落ち込み/不安
- TMS治療の目的:うつ病の改善
- TMS治療プロトコール:倍量TBSとaTBSの組み合わせ/短期集中治療を希望
これまでの経過
精神科は初診になる方です。中学2年生あたりから部活内でいじめを受け、そこから不登校状態となりました。
他院で自律神経失調症と診断され、漢方薬を3ヵ月間服用後、カウンセリングも行っていました。
その際に服用した睡眠薬に対して良い印象がなく、薬は使いたくないとのことで両親同意の上、TMS治療となりました。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
初回診察では「短期集中で治療したい」と希望され、1日2回iTBSを週2~3回でTMS治療を行いました。
10回目の診察時は、「頭痛はない」「眠気はある」「落ち込みはまだある」とのことでした。
3ヵ月に渡り治療を行いましたが、途中月に3日(計6回分)しか来院できないこともありました。
しかし治療を中断することなく20回目の診察時には、「大学受験をすることにした」「両親も納得してくれた」「留学したい」と気持ちに変化が見られ、その後30回目まで治療を行いました。
再発した際の治療法としてブースターを行う方針となり、いったんTMS治療は終了となりました。
症例のまとめ
不登校も経験した未成年の患者様です。
途中、治療間隔が2週間以上空くこともありましたが、中断せずに終了することができました。
30回目完遂の際は、拍手をして喜び合えたのはスタッフとして本当に喜ばしい場面でした。
ご本人様からも、「自分の気持ちを親に伝えたことで心が軽くなった」「治療の効果はあったと思う」という言葉を頂きました。
今回の症例はTMS治療を通した心理的な側面も大きいかもしれませんが、TMS治療の継続が気持ちの変化の一助になった症例だと考えます。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年11月1日