瞑想の経験は、デフォルトモードのネットワークの活動性と接続性の違いに関連
こちらの論文は、
のページに引用しています。
デフォルトモードネットワークが心の迷いに関係?
こちらの論文は、瞑想経験者の脳ネットワークを調べることで、瞑想の神経メカニズムを調べた研究になります。
瞑想経験者と非経験者の脳を比較した時に、デフォルトモードネットワークに関連する脳機能が抑制されていることが示されました。
さらにはうつ病でのTMS治療のターゲットにもなっている背外側前頭前野では、後部帯状皮質や背側前帯状皮質などとの機能結合が強化されていました。
このようにデフォルトモードネットワークの抑制が心の迷いの減少とも関連していると考えられ、うつ病でも特徴的な自責的な反芻を軽減してくれていると考えられます。
論文のご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
アブストラクト
多くの哲学や瞑想の伝統は、「今を生きる」ことが幸福度を高めると教えています。
しかし、人間のデフォルトモードは「心の迷い」であり、これは不幸と相関し、自己言及処理に関連する脳領域のネットワークが活性化されていると考えられている。
本研究では、瞑想経験者とそれに対応した瞑想未経験者(対照群)を対象に、いくつかの異なる瞑想(「集中」、「慈悲の瞑想」、「選択なき自覚」)を行った際の脳活動を調べた。
その結果、すべての瞑想タイプにおいて、デフォルトモードネットワークの主要なノード(内側前頭前野および後部帯状皮質)が、瞑想経験者では相対的に不活性化されていることがわかった。
さらに、機能的結合解析により、瞑想経験者では、ベースライン時と瞑想中の両方で、後部帯状皮質、背側前帯状皮質、背外側前頭前野(これまで自己監視と認知制御に関与するとされてきた領域)間の結合が強くなっていることが明らかになった。
本研究では、デフォルトモードネットワークの違いが、心の迷いの減少と一致することを示唆している。
これらの結果は、瞑想の神経メカニズムの可能性について、ユニークな理解の一助となる。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年10月23日
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