【うつ病97】30代女性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/6月~X年/8月の66日間
  • 主訴:倦怠感
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量iTBS(1,200発/回) を30回

これまでの経過

他院通院中の患者様です。1年前に当院にてTMS治療を15回行い、自己中断されていました。

再びTMS治療を希望し、受診されました。

セルトラリン(抗うつ薬)、ロラゼパム(抗不安薬)を内服中でした。

TMS治療経過

うつ病96の心理検査の結果をご紹介します
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS15回終了時は、「よくわからない。悪くはなっていない。」と効果は実感されていないようでした。

TMS30回終了時は、「良くなったような気がする。前向きな感じ。勉強もしている。」と治療効果を実感され、心理検査上も改善が見られました。

維持療法に移行することになりました。

症例のまとめ

倍量iTBS(1.200発/回)を30回行いました。

1年前も10回終了時はあまり治療効果を感じておらず、今回も15回終了時点では効果を感じておりませんでしたが、30回まで治療を継続することで効果が得られました。

反応が遅れて認められる方もいらっしゃるため、1クール終了まで治療を継続することが重要であることが経験できた症例です。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2023年2月18日

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