ニコチン依存症、不安、抑うつに対するDLPFCへの高頻度rTMSの二重盲検ランダム化臨床試験

こちらの論文は、

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情動の安定とニコチン依存の改善にTMSは有効

こちらの研究では、慢性的なニコチン依存症の患者さんでの依存症改善と、うつ症状や不安症状の改善を同時に評価したRCTになります。

うつ病のターゲットで一般的なプロトコールである左DLPFCに対する高頻度刺激を行っています。

うつ症状や不安症状の改善にあわせて、タバコの渇望や消費も改善し依存が軽減したという結果となっています。

偽刺激では、ニコチン依存に関する効果は持続しなかったという結果となっています。

TMS治療は、依存症治療に有望と考えられていて、ニコチン依存だけでなくコカイン依存も海外では適応が認められてきています。

今回の結果では、ストレスが重なるとタバコが増えるという側面もありますので、情動安定によるニコチン依存の改善効果も重なっていると思われます。

論文のご紹介

ニコチン依存や不安・うつのRCTをご紹介します。

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に訳して引用させていただきます。

アブストラクト

しかし、ニコチン消費と不安/抑うつは互いに関連しているにもかかわらず、同一のボランティアにおいてrTMSの効果をそれぞれ測定した先行研究はない。

本研究の目的は、慢性的な喫煙者の依存症におけるL-DLPFCに対する1日10セッションのHF-rTMSの効果を評価し、同じ被験者のうつ病と不安の症状に対するこの治療手順の期待できる有益な効果を調査することであった。

本研究では、治療を希望するニコチン依存症の喫煙者40名を対象とした。

喫煙の開始/期間、本数/日、Fagerstromニコチン依存症テスト(FTND)、Tobacco Craving Questionnaire-Short Form(TCQ-SF)、Hamilton depression and anxiety scales(HAM-DとHAM-A)が記録された。

参加者は、実刺激治療群と偽刺激治療群に無作為に割り付けられた。

積極的治療群では、L-DLPFCに安静時運動閾値(rMT)の80%で、20Hzの刺激を10トレイン、10日間連続して受けた。

参加者は治療直後に、そして3ヵ月後にすべての評価尺度を用いて再評定を受けた。

ベースライン時の実刺激群と偽刺激群との間に差はなかった。

治療直後のタバコ消費量/日、FTND、TCQのスコアは両群で有意に減少した(それぞれp=0.0001)。

しかし、その改善は3ヶ月間、実刺激治療群で持続したが、偽刺激群では持続しなかった。

さらに、治療直後のHAM-DおよびHAM-Aスコアの有意な低下が、実刺激治療群で見られたが、偽刺激群では見られなかった。

喫煙歴の長い被験者では、FTNDの改善率が低かった(p=0.005)。

我々の発見は、L-DLPCF上のHF-rTMSを10日間行うことにより、タバコの消費、渇望、依存が減少し、不安とうつ病の関連症状が改善することを明らかにした。
ClinicalTrials.gov識別子:NCT03264755(2017/08/29に登録)

カテゴリー:ブログ  投稿日:2022年3月12日