当院の強迫性障害TMS治療成績(2020年12月~2021年12月末)
治療成績
- 病名:強迫性障害
- 期間:2021年1月~2022年6月末
- 症例数:39名(データ:27名)
30%改善:50% 20%改善:60%
当院が開院した2020年12月から、2021年12月末までの全症例のうち、強迫性障害として急性期治療終了となった患者様の治療成績をご紹介します。
こちらでは、39名の方が治療を開始して、最終的に30回治療を行うことのできた27名での統計となっています。
結果としては、
- 30%以上改善:52%
- 20%以上改善:59%
となりました。
こちらは、YBOCSという強迫症状の心理検査をもとに点数の改善割合を基準としています。
治療成績の考察
前回よりも半年余りで症例数が増えましたが、FDAで認可された治験に近しい結果となりました。
当院での治療成績をまとめ、「Journal of Clinical Medicine」に掲載されました。
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。
強迫性障害でのTMS治療については、
- 強迫観念に抵抗しようとすること
- 薬物療法の有無や男女差は治療成績に関係なし
という解析結果となっています。
症例数が多くなれば更なる知見が集まってくるかと思いますので、適宜、統計解析の幅を広げていきたいと考えています。
強迫性障害のTMS治療には心理療法との併用が重要であり、常勤2名の臨床心理士も協力しながら、さらなる治療成績向上につとめております。
過去の治療成績
治療成績を可視化して治療向上へ
東京横浜TMSクリニックでは、治療の前後で精度の高い心理検査を実施することで、治療成績を数字にして評価しています。
当院では、強迫症状に対するTMS治療実施にあたっては、Y-BOCSといった薬の治験などでも実施する心理検査を行います。
こちらは専門家が評価する心理検査になり、自記式の心理検査よりも精度が高く、適切な治療判断につながります。
当院ではこのように治療成績を可視化することで、さらなる治療向上を目指しています。
またスタッフが症例サマリーを作成することで、多職種で治療の検証を行っています。
安心してTMS治療を受けていただくために、これからも客観的なデータを発信していきたいと考えています。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年11月18日
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