【うつ病73】20代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年6月~X年/7月の25日間
- 主訴:ぼうっとしてしまう、頭が働かない
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS(1,200発/回) を30回
これまでの経過
当法人の心療内科に通院中の患者様です。
令和3年に受けられた外科手術にて脊椎麻酔を使用、その後、頭が働かない症状が出現。
職場での異動を契機に症状が増悪し、心療内科で薬物療法を行いましたが抑うつ症状が改善せず、当院でのTMS治療を希望されました。
アリピプラゾール(抗精神病薬)を内服されていました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時点では、「今日ダメだなーという日が減ってきた」とのお言葉がありました。
TMS20回終了時は、「前回より良いと思う。落ち込む日が減ってきた」と、徐々に抑うつ症状の出現頻度が減り、治療効果が現れてきたご様子でした。
TMS30回終了時には、「大分よくなったと思います。ゲームや旅行も楽しめた」とのことで、趣味などの活動にも意欲が出ているようでした。
心理検査上でも抑うつ状態の改善が見られ、治療により種々の変化が得られていたことが窺えました。
急性期TMS治療は終了し、今後維持療法を検討していくことになりました。
症例のまとめ
倍量iTBS(1,200発/回)を30回実施するにあたり、本症例では患者様が意欲的に1日2回の治療に取り組んでくださいました。
集中治療が叶ったことで1か月弱という短期間で症状が改善し、TMS治療の特性が活きた症例となりました。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2022年10月31日
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