プロフィール
- 治療期間:X年1月~X年2月の29日間
- 主訴:不潔恐怖と予期不安の発作が頻発していて日常生活に支障をきたしている。
- TMS治療の目的:強迫症状の改善
- TMS治療プロトコール:deepTMS(29回)
これまでの経過
過去に薬物療法を行いましたが無効で、強迫症状が遷延しているため、deepTMS治療を希望されました。
現在は薬を服用していません。
TMS治療経過

※Y-BOCSは強迫性障害の重症度評価です。
強迫症状を改善するため、dTMSを29回行いました。治療4回目から曝露療法を開始しました。
内容は、「トイレの画像を1分間閲覧する」、「ドアノブを素手で握り、その手を消毒せず治療開始する」を行い、強迫症状を引き起こす状態を作りました。
治療10回目には「暴露も頑張っている」と発言あり、初めの頃は曝露行為を行うことを恐れていましたが、10回目では協力的に行っていただきました。
治療20回目には「外で我慢できる、暴露も頑張っている」と前向きな発言が得られ、曝露行為もレベルを上げて行っていました。初めは、ドアノブを握ることでさえ最初は抵抗があったように見えましたが、徐々にすんなり握り、握っている手を見ることもできるようになりました。
治療30回目には「強迫症状に抵抗しているが、最終的には難しい」と発言されました。ご本人様の曝露療法の取り込む姿勢はとても素晴らしく、心理検査の結果はいい成績で終えることが出来ました。
今後は薬物療法とCBTが受けられる施設で治療していくことを勧め、終診となりました。
症例のまとめ
遠方からお越しの方で、1日2回治療も行い、最短の29日で治療を終えました。
治療開始前のカウンセリング時では、曝露行為への不安感がとても強い方でした。
ですので、無理にレベルを上げて行うのではなく1つの事を徐々に出来るように不安階層表を基に、曝露行為を行いました。
治療10回目以降から、曝露療法のレベルを上げ、行いました。曝露行為に抵抗がありましたが、患者様ご自身の治療への積極的な取り組みにより、症状改善が見られた症例です。