primingTMSとsyuchronizedTMSとは?
特殊な治療法
primingTMSとは、rTMS治療を行う前に反対方向のpriming刺激を行ってから行うTMS治療のことです。
syuchronizedTMSとは、脳波のうちα波のリズムに合わせて行うオーダーメードのTMS治療のことです。
どちらも研究目的で行われている刺激方法で、治療目的では行われていません。
今後研究や技術がすすめば、治療法としての活用がなされるかもしれません。
iTBS治療の特徴
これらの刺激法は、現在ではあまりメジャーな方法ではありません。
priming刺激とは、例えば低頻度刺激を行う前に、準備として高頻度刺激を行っておくことで治療効果を高めようとする刺激法になります。
syunchronizedTMSとは、日本語で表現すると脳振動同期TMSといえるでしょうか。
8~13Hzのα波を測定しながら、それに合わせてTMS刺激をする方法になります。
α波は、覚醒しているときに目を閉じて安静にしているときに、頭頂部や後頭部でよくみられる脳波になります。
覚醒時でリラックスしているときの脳波といえます。
その頻度は刻々と変化しており、それにあわせた頻度の刺激を行っていきます。
非常に手間がかかるのですが、現時点では治療成績があまりよくありません。
他の治療法との違い
うつ病でのTMS研究を網羅的に調査し、様々なプロトコールの治療効果を比較したネットワークメタアナリシスという研究報告では、priming低頻度TMS治療では良い治療効果が示されましたが、症例報告数が少ないために本当に効果的かの結論がついていません。
一方でsyunchronized rTMSでは、シャム刺激(偽刺激)と比較して治療効果が示せませんでした。
【大うつ病エピソードの急性期治療のための反復経頭蓋磁気刺激】
どちらも現在は研究もあまりされていませんが、将来的には何らかのブレイクスルーが見つかり、治療として新たな可能性を生み出すかもしれません。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年3月27日