片頭痛に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)の有効性:ランダム化比較試験のメタアナリシス
こちらの論文は、
のページに引用しています。
急性期の前兆ある片頭痛に効果あり?
こちらの論文は、TMS治療の片頭痛に対する有効性について報告しています。
症例数が少ないものの、シングルパルスでのTMS治療は、急性期治療として前兆のある片頭痛には効果が期待できることがわかりました。
その一方で慢性片頭痛に対しては、治療効果がハッキリと示すことはできませんでした。
ですから慢性頭痛として長く治療で困っている方に対して、TMS治療の効果は定かではありません。
一方で急性期治療については、お薬もあるためにTMS治療の活躍の場は少ないかもしれません。
サマリーのご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
目的
非侵襲的な治療法として、経頭蓋磁気刺激(TMS)が片頭痛に有効かどうかを検討する。本論文は、片頭痛に対するTMSの有効性をランダム化比較試験(RCT)に基づいて評価することを目的とした。
方法
PubMed、Embase、Cochrane Libraryの電子データベースを検索し、TMS群と偽刺激群を比較した発表研究を探し、すべてのRCTを対象にメタ解析を行った。
結果
313名の片頭痛患者を対象とした5件の研究が確認された。シングルパルス経頭蓋磁気刺激は、初回発作後の前兆のある片頭痛の急性期治療に有効であることがわかった(p=0.02)。
そして、慢性片頭痛に対するTMSの有効性は有意ではなかった(OR 2.93;95%CI 0.71-12.15;p=0.14)。
結論
論文に含まれる研究から、TMSは片頭痛に有効であることが分かった。
【お読みいただいた方へ】
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年11月6日
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