【ADHD④】18歳男性
プロフィール
- 治療期間:X年4月~X年5月の30日間
- 主訴:やる気が起きない、予備校に通えない
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS 30回 (1日1回と1日2回の併用)
これまでの経過
中学3年生の頃、ADD不注意優勢型と診断されています。
大学入試の時期から無気力感が強まって自宅閉居がちとなり、予備校に通えていない状態のために当院へ来院されました。
上記病状によりコンサータを半年程内服されていましたが、ご本人としては効果はよくわからなかったそうで、「集中力はちょっと上がったような気もしたが、食欲が下がってしまったためきつかった。ストラテラも過去に内服し、合わなかった」とのことで、TMS治療を希望されました。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を認め、自宅閉居がちで予備校に通えていない状態のため、うつ病の改善を目的として倍量iTBSを、1日1~2回で30回行いました。
10回目は、「気分は変わりない。1週間前から一人暮らしを始めた。」と、生活の変化はありましたが効果の自覚はありませんでした。
20回目終了時には、「1人暮らしは順調。料理は楽しめる。洗濯・掃除もできている。」と無気力感の改善が見られ、
30回目終了時には、「調子悪くない。美大に進学したい気持ちが戻ってきた。」と前向きな発言が認められました。
治療反応を認めて再発リスクも想定されたため、30回目終了後は維持療法をご案内しましたが、希望されなかったため終診となりました。
症例のまとめ
1日1回と1日2回併用の倍量TBSを30回、治療間隔を3日以上開けずに通って頂けたことで、30日間での抑うつ状態の改善を認めました。
二次性のうつ状態に対しては、TMS治療によって改善が期待できます。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年9月21日