【適応障害②】64歳男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/5月~X年/6月の48日間
- 主訴:調子が悪いと朝起きられない
- TMS治療の目的:うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール: 倍量iTS30回 (平日:1日1回 土日:1日2回のaTBS)
これまでの経過
数年前、他院の精神科を受診されました。
最初4か月は休職して症状改善しましたが、復職してから体調を崩されました。
薬物療法で効果不十分なため、TMS治療ご希望で当院へ受診となりました。
一昨年から他院にて処方された抗うつ薬(サインバルタ、ミルタザピン)、抗精神薬(エビリファイ)、睡眠薬(レンドルミン)を服薬しています。
3~4カ月前から、心理カウンセリングも受けられています。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
うつ症状あり他院通院中のため、うつ病の改善を目指す倍量iTBSを1日1~2回で30回行いました。
時間の取れる土日に2回、平日は仕事終わりによる1回でスケジュールを組み、TMS治療を行っていきました。
TMS10回目には、「特に副作用はなく、効果を実感している。」とのことでした。
20回目の時には奥さんからも、「調子がよさそうに見える」というお話があり、薬は変わっていませんが効果の実感をされていました。
30回目終了時には、「調子よい。大丈夫かな、不安だなと思うことも減ってきて、気分も安定している」とのことで、奥さんからみても「落ち着いている。」とのことでした。
30回目以降も今の状態を維持するため、週1回TMS治療をしており、状態も安定しています。
症例のまとめ
週3回以上治療するため、ご本人の予定に合わせ1日1回治療の日と2回治療の日をスケジュールしました。
なるべく間隔を空けず治療することにより、ご本人や家族の方も治療効果を実感しやすいと感じました。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月21日
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