【不安障害⑤】39歳男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年1月~X年3月の40日間
- 主訴: 何もないのに不安感がずっと続く、仕事が手につかなくなる
- TMS治療の目的:抑うつ状態、不安感の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS30回 (平日:倍増iTBS、休日:aTBS)
これまでの経過
10年以上前にうつ症状を発症し、2013年にはうつ病で入院しています。
現在は他院に通院しており、「うつ病は治るのだが、過度の不安が無くなったことはない」とのことでした。
またADHDの診断もされており、ストラテラを処方されています。
他院にてエビリファイ(抗精神薬)、ガスモチン(胃薬)、ストラテラ(ADHD治療薬)、酸化マグネシウム(便秘薬)を服用しています。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
ADHDにうつ病と全般性不安障害が合併している方で、まずは抑うつ状態の改善を目指してiTBSを30回実施しました。
ご本人はHPをみて右低頻度を検討されていましたが、抑うつ状態も強いため、まずは経済的にもリーズナブルな左高頻度のiTBSを提案して実施することとなりました。
TMS10回終了時には、「1回目受けたときはすごくいい感じだった。今はよくわからないが、前よりも楽になっている。睡眠も深く眠れる日が増えてきた」と、多少の変化を感じている様子でした。
30回目終了時には、「朝の落ち込みもなくなってきた。仕事が忙しい割には、調子も悪くない。」と回数を重ねるごとに効果を実感されていました。
30回終了後は、維持治療に移行しました。週1回の維持療法を継続しており、「調子よい」とのことで維持できています。
症例のまとめ
1回目にすごく治療効果を実感され、そこから10回目終了まで横ばいだったため不安もあったかと思います。
しかし継続して治療することで効果が安定しています。
ADHDや全般性不安障害に伴う二次性のうつ状態に対しては、まずはうつ状態をTMS治療で改善させていくことは、治療意義があります。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年9月2日