慢性疲労症候群治療における高頻度rTMS:症例シリーズ

こちらの論文は、

のページに引用しています。

高頻度DLPFC刺激の効果があるかもしれない?

こちらの論文は、7名の連続の患者さんでのDLPFCに対する高頻度rTMS刺激の効果の報告になります。

国際医療福祉大学での臨床研究からの報告と思われます。

方法としては、DLPFCに対して10HzでrTMS(10秒刺激・50秒インターバルで25分間2500発)を1日に2回行っています。

従来の高頻度刺激よりも刺激時間とインターバルを長めにとってはいますが、高頻度rTMSによる効果を期待しています。

結果としては、30~40%の疲労度軽減が認められたとする結果となっています。

しかしながら、慢性疲労症候群に対する臨床研究や治験はほとんど見つからず、こちらの研究も残念ながら、エビデンスとしては高くはありません。

あくまで慢性疲労に対しては、うつ症状が伴う場合にのみ実施していくべきでしょう。

論文のご紹介

慢性疲労症候群とHFrTMSについての論文をご紹介します。

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。

アブストラクト

慢性疲労症候群(CFS)患者において、前頭前野の構造的および機能的な異常は、疲労と相関しているようである。

我々は、7名のCFS患者の背外側前頭前野(DLPFC)に対して、促進性の高頻度反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を3日間にわたって連続的に適用した。

5人の患者は3日間のプロトコルを完了し、有害事象は発生しなかった。

残りの2名の患者については、軽度の有害事象のために刺激強度を下げざるを得なかった。

ほとんどの患者では、治療により疲労症状の改善が見られた。

したがって、DLPFCに高頻度rTMSを適用することは、CFS患者の治療に役立つ可能性がある。

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執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年5月29日

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