COVID-19の50以上の長期的影響:システマティックレビューとメタアナリシス

こちらの論文は、

のページに引用しています。

こちらの論文は、コロナウイルスの長期的影響を調べた論文を集めたメタアナリシスになります。

47,910人に上る患者さんを調査する中で、最低2週間以上何らかの症状が続いている場合をコロナ後遺症と考えて、その症状の割合などを調べています。

疲労(58%)、頭痛(44%)、注意力障害(27%)、脱毛(25%)、呼吸困難(24%)の5つが頻度が高く、何らかの症状が続いているコロナ患者さんは、実に80%にも上ると報告されています。

その症状は多様で、心身さまざまなアプローチが必要となります。メンタル面では、慢性疲労症候群やブレインフォグなどが挙げられています。

コロナ後遺症自体が近年報告されたばかりのことですので、まだまだ治療法も確立していなければ、エビデンスもありません。

ですがうつ症状を呈している場合は、TMSも治療選択肢となる可能性があります。

論文のご紹介

コロナ後遺症として報告されている50以上の症状を、頻度も含めて調べた論文になります。

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。

アブストラクト

COVID-19は、初期の回復後、数週間から数ヶ月続く持続性、後遺症、その他の医学的合併症を伴うことがある。

このシステマティックレビューとメタアナリシスは、COVID-19の長期的な影響を評価する研究を特定することを目的としている。

LitCOVIDとEmbaseを検索し、2021年1月1日以前に発表されたオリジナルデータを持つ、患者数100人以上の論文を特定した。

2つ以上の研究で報告された効果については、MetaXLソフトウェアを用いてランダム効果モデルによるメタアナリシスを行い、プールされた有病率を95%CIとともに推定した。

PRISMAガイドラインに従った。合計18,251件の論文が確認され、そのうち15件が組み入れ基準を満たしていた。

55件の長期的影響の有病率が推定され、21件のメタアナリシスが行われ、47,910人の患者が対象となった(年齢は17~87歳)。

収録された研究では、long-COVIDをウイルス感染後14日から110日と定義した。

SARS-CoV-2に感染した患者の80%が、1つ以上の長期にわたる症状を発症したと推定された。

最も多かった5つの症状は、疲労(58%)、頭痛(44%)、注意力障害(27%)、脱毛(25%)、呼吸困難(24%)であった。

長期にわたるCOVID-19のケアに対処するためにデザインされた、患者全体を視野に入れた予防策、リハビリテーション技術、臨床管理戦略を開発するためには、複数の分野のチームが重要である。

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執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年11月6日

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