【うつ病①】30代男性

プロフィール

  • 治療期間:X年/5月~X年/7月の57日間
  • 主訴:不眠リズムの乱れ、怒りっぽい、無気力感、集中力低下
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回)30回

これまでの経過

怒りっぽさ、無気力感、集中力低下等を友人から指摘され、他院にてTMSを検討するも高額により断念し、当院を受診されました。

症状の出現時期やきっかけは不明とのことですが、友人からの指摘を受けたそうです。

TMS治療経過

うつ病症例1の心理検査結果になります。

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療を組み合わせ、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時には、「多少マシになってきた。」とのことで、TMS20回終了時は、「多少いいかな。スッキリしてきた感じはある。意欲、集中力も上がってきた。睡眠はまだ寝つきがよくない。」と、少し効果が出始めている様子でした。

TMS30回終了時は、「調子よい。落ち込み・集中力低下が軽くなった。楽しめる活動もできている。入眠はまだよくないが、1度寝ちゃえば平気。」と治療効果が認められました。

治療後のフォローは、少し様子をみたいとのことで、維持治療やブースター治療をご案内し終診となりました。

症例のまとめ

疼痛感じやすく、刺激強度は80%から5%ずつ徐々に上げていき、最終的に120%まで上げることができました。

刺激強度と治療効果は正比例ではありませんが、体感的には早い段階で刺激強度を上げられた方が、治療効果も早めに出る印象があります。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年7月24日

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