【うつ病②】43歳女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/5月~X年/7月の54日間【維持】x年7月~
- 主訴:不眠、交通事故をきっかけによる抑うつ状態
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回)30回
これまでの経過
10年前より睡眠障害にてマイスリーを頓服的に内服されていましたが副作用あり。
2021年3月に交通事故を契機に抑うつ状態を認めました。
薬で副作用が出やすく、薬を使用しない治療をご希望のため来院されました。
X年4月に他院にて、レンドルミン・ハルシオン(睡眠導入剤)、セルシン(抗不安薬)を内服されましたが、来院時には何も内服されていない状態でした。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療を組み合わせ、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時には、「気持ちが軽くなってきた。」とのことで、TMS20回終了時は、「だいぶよくなった。」と効果を実感されていました。
TMS30回終了時は、「調子よい。楽しい気持ちが出てきた。」と抑うつ状態の改善が認められました。
後半は治療ブースで冗談を言われるほど、スタッフから見ても明らかな気分の変化がありました。
効果安定のため、維持治療へ移行しました。
症例のまとめ
ご自分のペースで無理なく通って頂き、主訴の改善が認められました。
初診時の心理検査では症状が重たいのですが、治療後は症状がほぼ消退して寛解が得られました。
TMS治療が著効したケースになり、10~20回程度のTMS治療後から明らかな変化がスタッフにも感じ取れた症例になります。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年7月24日
関連記事
TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説
体に負担を与えずに脳にアプローチする治療法として、近年注目を集めている「TMS治療法」。心の病気に対する、新たな治療効果が期待されています。 世界中でエビデンスが蓄積されつつあるTMS治療ですが、日本でも正式な適応が認め… 続きを読む TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説
投稿日:
人気記事

子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説
投稿日: