【うつ病⑲】53歳男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/12月~X年/6月の183日間
- 主訴:3年前に過呼吸を伴うパニック発作。抑うつ状態。
- TMS治療の目的:パニック障害+抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTBS30回(1日1~2回週3回のaTBS)
これまでの経過
2年前から他院に通院されていますが、TMS治療を受けるために当院受診されました。
ソラナックス(抗不安薬)、レクサプロ(抗うつ剤)を使用していました。過去に、ジェイゾロフトやパキシルで副作用のため継続できず、レキサルティ(抗精神病薬)ではアカシジアの副作用のため中止となっていました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
11回目終了後には、「仕事上で電話の音に対する過敏さが低下してきています」「私生活ではジムに再び通えるようになってきました」など、改善を体感されているような発言がありました。
21回目終了後、「投薬コントロールはできている」とのことです。また、「現在テレワークで週に1回の出社ですが、電話対応の辛さが薄らいできました」「調子悪くありません」など改善がみられる一方で、回数は減っているもののパニック発作はあるご様子でした。
30回目終了後、「調子悪くなく不安もコントール出来ています」「たまに不安やパニックの手前みたいになることはありますが仕事も問題なく出来ています」とのことで、パニック発作もコントロールできていました。
維持療法を行うことになり、2週ほど週1回ペースで行ったのちに問題なく、2週に1回のペースで引き続きTMS治療を継続。
現在も2週に1回のペースでTMS治療を継続されています。
症例のまとめ
TMS治療開始後、不安のコントロールが可能になり、自主的に体を動かし気分転換を取れるようになってきました。
仕事も問題なく出来るようになってきたため、うつ症状の改善が見られました。
うつ状態の改善によってパニック発作も軽減し、薬物療法とTMS治療の併用で安定が得られた症例です。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年8月26日