【うつ病③】30代男性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/6月~X年/7月の22日間
  • 主訴:視線恐怖、社交恐怖、被害念慮
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回)30回

これまでの経過

3年前、他院にて適応障害と診断され、薬を内服していましたが副作用のため継続できず、TMSをご希望されました。

上記病状により薬(詳細不明)を内服するも、副作用により継続不可となっていました。

TMS治療経過

うつ病症例③の心理検査結果をご紹介します。

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療の組み合わせで、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時は「眠れるようになった。歩いていて視線恐怖も減った。買い物も普通に行ける日もあった。」と気分の変化が認められました。

TMS20回終了時には「野球観戦をしていて不安になることがあるが、短い時間で落ち着いた。以前なら長く続いた。夜も眠れていて良い。試しに人の多いところにいってみようと思い、ペットショップに行ったが大丈夫だった。」と効果を実感されていました。

TMS30回終了時は、「落ち込み・視線恐怖↓。調子悪くない」と、主訴の改善が認められました。

明らかな効果をみとめたため、ご本人の希望もあり維持治療へ移行しています。

症例のまとめ

適応障害の診断でしたが、うつ症状が遷延していて、初診時には中等度の抑うつ状態を呈していました。

社交不安や被害念慮といった不安症状が主訴ではありましたが、気分に一致する不安症状と考え、うつ症状改善目的でTMS治療を開始しました。

1日1回治療と2回治療を組み合わせ、22日間という短期間で主訴改善に至りました。

ご本人の希望もあり、効果定着のため維持治療へ移行しています。

一般的に不安症状を伴う場合はTMS治療の改善率はやや下がりますが、このように気分に一致している不安症状の場合は、うつ症状の改善とともに軽減が期待できます。

不安障害がベースにある場合は抗うつ剤の方が効果が期待できる場合もあり、TMS治療の治療効果を高めるためには診断力が重要であることを再認識させていただいた症例です。

カテゴリー:ブログ  投稿日:2021年7月24日