【うつ病㉜】27歳女性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/12月~X年/1月の28日間
- 主訴:月経前不快気分障害
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量iTS30回 (1日2回週3〜5回のaTBS)
これまでの経過
数年前に1度のみ精神科受診歴あり。 社会人になってからPMDD(月経前不快気分障害)を発症しました。
出産後より抑うつ状態の増悪を認め、 最近は月経周期とは関係なく抑うつ状態が続いているとのことでした。
知人に勧められ、TMS治療をご希望されました。
5カ月前より他院に通院中で、ドグマチール・サインバルタ(抗うつ剤)を服用されています。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態で他院通院中のため、薬物療法と併用する形でiTBSを1日2回のaTBSプロトコールで30回実施しました。
TMS10回終了時には、「夫からは調子よいと言われる。自分としても受けた日は元気な感じがある」と症状は改善傾向を示しました。
TMS20回終了時には、「調子よく、落ち込みはない。」とのことでした。
ご家族の都合により来月から一人での育児になるため、環境に慣れたら減薬していく方針となりました。
TMS30回終了時には、症状の改善が見られたため一度TMS治療は終了となりました。
主治医のすすめもあり、当院で薬物療法継続し様子を見ていくこととなりました。
今後症状増悪時は、iTBSを4~5回ブーストで行っていく方針になっています。
症例のまとめ
ご家族の都合により1カ月間で治療を終わらせたいとういう希望があり、1日2回のiTBSを週5回実施しました。
間隔を開けず30回治療をすることで治療効果も継続され、TMS治療終了後も、症状の悪化は認められません。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月2日
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