【うつ病㊳】40代男性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/6月~X年/8月の64日間
  • 主訴:めまい、耳鳴り、集中力低下、無気力無関心
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回

これまでの経過

1年前の7月頃より、眩暈や耳鳴りが起きるようになり、更に集中力の低下や、無気力感、興味関心の低下が起こったことで、仕事に支障をきたすようになりました。

精神科通院中のご友人の調子が悪く、薬物治療への抵抗があったことからTMS治療を希望されました。

TMS治療経過

うつ病㊳の心理検査結果になります。

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療の組み合わせで、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時は、「仕事休めることになった。朝もスッキリしてきた。会社とはメールのやりとりのみ。睡眠、食欲OK。」と、

TMS20回終了時は、「調子は悪くない。朝も頑張って動くようにしている。まだ波があり、日中外出したくない日もある。スポーツに対する興味はまだない」とのことでした。

TMS30回終了時は、「前より楽になったと思う。まだ身体を動かすところまでは行かないが興味も戻ってきた。」と、主訴の改善が認められました。

その後、維持治療へ移行となりました。

症例のまとめ

ご気分に波があり、治療間隔が空いてしまうこともありましたが、診察で治療を頻回に行うことの意義を丁寧に説明させていただき、治療効果を認めた症例になります。

アドヒアランスの向上が大切であることと、回数券制度を利用していたことで治療脱落せずに治療反応を認めた症例になります。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年10月12日

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