【うつ病㊹】30代男性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/8月~X年/9月の35日間
  • 主訴:抑うつ状態、嘔気、易疲労感
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回 

これまでの経過

X年7月より職場環境がきっかけで抑うつ状態、嘔気、易疲労感を認めるようになりました。

未治療の方で、症状の再燃再発予防のため、当院でのTMSを希望されました。

TMS治療経過

うつ病症例44の心理検査の結果をご紹介します

※CES-Dは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療の組み合わせで、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時は、「まだ不安はあるが、妻から前よりも調子が良さそうと言われる。」とのことでした。

TMS20回終了時には、「疲れやすさは減ってきた。14回目が終わったぐらいからスッキリ感が増えた」と、易疲労感が軽減されているようでした。

TMS30回終了時は、「調子よい。不安も減っている。仕事量も減った。」と、主訴の改善が認められました。

維持療法は行わずに少し様子を見たいとのことで、ブースター治療についてご案内し、終診となりました。

症例のまとめ

職場環境の改善もあり、治療後半にかけて表情の変化が明白でした。

環境因子が重なったため評価が難しいところもありましたが、20回以内に治療効果が認められているため、TMS治療との相乗効果といえます。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年12月25日

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