【うつ病⑦】52歳女性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年3月~X年5月の19日間
  • 主訴:断薬、頭痛がひどい
  • TMS治療の目的:減薬
  • TMS治療プロトコール:aTBS(1200発×2回)30回

これまでの経過

2年半前からうつ症状があり、かかりつけのクリニックに通院、サインバルタ20mg(抗うつ薬)を内服していました。

十分量の抗うつ薬を使って治療を行っていましたが、抑うつ状態が消長していました。休職中に、TMSをご希望されました。

TMS治療経過

うつ病症例7の心理検査の結果になります。

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

薬ではない治療を希望しTMS治療を開始することになりました。

一日2回(2400発)のプロトコールを30回行いました。

10回目終了時はまだ気分は大きく変わりませんが、夜眠れるようになり中途覚醒が減りました。

20回目終了する前になると調子も良くなり、朝の起きやすくなり支度が早くなるなど、「今まで出来なかったことが出来るようになった」「会社で嫌なことがあっても引っ張らなくなった」など良い傾向が増えていきました。

30回目終了時にはサインバルタの服薬をやめることが出来ました。

維持療法へ移行となり、最初の2週間は週1日で2回の治療(aTBS)行っていくことになりました。

症状が悪化することがなければ、週1日で1回の治療(iTBS)、さらに2週間に1回の治療へと間隔をあけて治療終了を目指していく方針となりました。

症例のまとめ

前向きな気持ちで急性期に一日2回の治療を集中的に受けたことで、早期に改善傾向が現れました。

目的である断薬を行うことが出来た症例です。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年8月18日

\ この記事をシェアする /

TWITTER FACEBOOK はてな POCKET LINE

関連記事

TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説

体に負担を与えずに脳にアプローチする治療法として、近年注目を集めている「TMS治療法」。心の病気に対する、新たな治療効果が期待されています。 世界中でエビデンスが蓄積されつつあるTMS治療ですが、日本でも正式な適応が認め… 続きを読む TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説

投稿日:

当院のうつ病TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

治療成績 病名:うつ病 期間:2022年1月~2022年12月31日 症例数:117名(30回実施214名) 寛解率56% 反応率79%程度 2022年1月から、2022年12月末までに30回以上実施したうつ病・うつ状態… 続きを読む 当院のうつ病TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

投稿日:

当院の強迫性障害TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

治療成績 病名:強迫性障害 期間:2022年1月~2022年12月末 症例数:25名(データ:16名) 30%改善:50% 2022年1月から、2022年12月末まで1年間の全症例のうち、強迫性障害として急性期治療終了と… 続きを読む 当院の強迫性障害TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

投稿日:

人気記事

子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説

「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説

投稿日:

「燃え尽き症候群(バーンアウト)」とは?なりやすい人や治療法を解説

「燃え尽き症候群(もえつきしょうこうぐん)」とは、その名の通り、それまでの意欲や熱意がまるで燃え尽きたように消失してしまう状態のことです。 もともとは意欲があった人が、突然やる気を失う。いきなりの変化に「あんなに熱意があ… 続きを読む 「燃え尽き症候群(バーンアウト)」とは?なりやすい人や治療法を解説

投稿日:

精神疾患のお薬を服用しながら運転はできる?お薬に頼らない治療法も紹介

「車がないと会社に通勤できない」 「仕事で車を運転する必要がある」 「生活するうえで、車がないと困る」 日常生活の中で、車の運転が必須になっている方もいるでしょう。 それは、精神疾患の治療をしている患者さんも同じです。お… 続きを読む 精神疾患のお薬を服用しながら運転はできる?お薬に頼らない治療法も紹介

投稿日: