【うつ病㊸】50代男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年/7月~X年/8月の49日間
- 主訴:抑うつ状態の消長
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回
これまでの経過
うつ病で数年前から薬物治療中の方です。意欲低下のまま上昇しないため、TMS治療をご希望されました。
ビプレッソ・ドグマチール(抗精神病薬)、ルネスタ・マイスリー(睡眠薬)、リボトリール(抗不安薬)、ノリトレン(抗うつ薬)、デパケン(気分安定薬)を内服されていました。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療の組み合わせで、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時は、「6回目終わったあとから気分が少し持ち上がった感じ。」と。
TMS20回終了時は、「やる前と比べればいいと思う。スポーツ観戦も楽しめる。趣味をやる意欲はまだない。」とのことで、反応は認められました。
TMS30回終了時は、「調子悪くないと思う。落ち込みと不安が減った。ソワソワも減った。睡眠・食欲もある」と、気分の改善が認められました。
治療終了後は様子を見たいということで、終診となりました。
症例のまとめ
治療間隔を3日以上あけずに通って頂き、49日間で主訴の改善が認められました。
治療回数を重ねる中で少しずつ効果が認められており、TMS治療での典型的な改善経過が認められた症例になります。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年11月23日
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