慢性原発性不眠症患者の治療における反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性
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TMS治療は不眠に効果が期待できる
こちらは、とくに原因のない不眠が慢性的に続いている方に対するrTMS治療の有効性について、ランダムにプラセボと割り振って行ったRCTになります。
120名と、比較的多くの症例数が含まれていて、rTMS治療、薬物療法、心理療法にランダムに分けて治療効果を比較しています。
こちらによれば、rTMS治療では、徐派睡眠(ステージⅢ)とレム睡眠が改善することで、睡眠構造が良い方向に変化したという結果となっています。
そしてTMS治療群では、再発・再燃率が最も低かったと報告されています。
このようにTMS治療は覚醒を和らげて、長期的に不眠に効果が期待できる可能性があります。
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論文のご紹介
英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
サマリー
本研究では、慢性的な原発性不眠症患者の治療における反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性を評価した。
慢性原発性不眠症患者120名を、rTMS、薬物療法または心理療法の3つの試験群(各群n=40)へ無作為に割り付けた(後者2群はいずれも対照群)。
治療は2週間行われ、その後、各群において睡眠ポリグラフのパラメータ、Pittsburgh睡眠の質指数、HPA軸およびHPT軸の指標(血清コルチゾール、副腎皮質刺激ホルモン、高感度甲状腺刺激ホルモン、遊離T3および遊離T4)の変化に基づいて治療効果が評価された。
さらに、それぞれの治療後3カ月以内の再発・再燃率も測定した。
rTMS治療は、両対照群と比較して、III期睡眠およびREM睡眠サイクルを有意に改善した(p<0.05)。
さらに、rTMS治療群は、両対照群と比較して、HPA軸およびHPT軸の指標をより有利に改善した(p<0.05)。
また、再発率、再燃率もrTMS治療群が最も低かった。
結論として、rTMS治療は、睡眠構造を改善する上で、薬物療法および心理療法の両方よりも有利である。
さらに、rTMSは体の覚醒レベルを有意に低下させ、より長期的な治療効果が得られる。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年3月20日