難治性うつ病患者に対するクラスター化メンテナンスrTMSの非盲検試験
こちらの論文は、
のページに引用しています。
メンテナンスTMSは再発予防効果があるかもしれない
こちらの論文は、クラスター化メンテナンスrTMSが再発予防効果が期待できることを示唆した臨床研究になります。
メンテナンスTMS治療の再発予防への効果を検証するために、試験的に行ってみた研究になります。
こちらで効果が期待できたため、大規模なRCTが行われて再発予防効果が示されました。
こちらの論文には、メンテナンスTMS治療のプロトコールとして、クラスターという方法をとった根拠が示されています。
3~5日に集中して行うことで、スケジュールを忘れずに治療が行えると考えてこのプロトコールがとられました。
どのようなプロトコールが最適かは今後の研究が待たれますが、週に1回や2週間に1回などで行っていくことが多いです。
しっかりと通院ができるのでしたら、十分な再発予防効果が期待できると考えられています。
論文のご紹介

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。
アブストラクト
反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の抗うつ効果は繰り返し実証されているが、治療に反応した患者の再発防止のためにrTMSを使用することについては、ほとんど研究されていない。
この問題を解決するために、新しい形のクラスター化メンテナンスrTMSの大規模な非盲検試験が実施された。
治療抵抗性うつ病の患者35名が対象となった。すべての患者は、うつ病に対する2コースのrTMS治療に反応していた。
2回目のrTMSを受けた後、月1回の維持セッション(2日間で5回のrTMS治療)を行うクラスター化メンテナンスrTMSを受けた。
再発までの期間と臨床的特徴について述べている。
試験期間中に25名の患者が再発し、平均治療期間は10.5±10.3ヵ月であった。
この期間は、維持療法を行わない最初の急性期治療後の安定期(3ヵ月未満)よりも大幅に長かった。
さらに10名の患者の内、4名は再発を経験することなく試験から離脱するまで維持療法を継続し(平均6.2±4.3ヵ月)、6名は試験終了まで維持療法を継続した(平均12.0±9.7ヵ月)。
予備的なものではあるが、本研究では、クラスター化メンテナンスrTMSが、rTMS治療の成功後の再発の発生を大幅に遅らせる可能性があることが示唆された。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年9月23日
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