【ADHD⑤】25歳男性

プロフィール

  • 治療期間:X年4月~X年6月の42日間
  • 主訴:注意欠陥、コミュニケーション能力、創造力の無さ
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1日1回と1日2回との併用)30回 

これまでの経過

数年前に他院にてADHDと診断されています。

ADHD特性による改善を希望されて当院を受診されましたが、抑うつ状態や不安が認められていました。

上記病状により、ストラテラ(ADHD治療薬)を内服されています。

TMS治療経過

ADHD⑤の心理検査の結果をご紹介します

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態や不安を改善するため、倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時には、頭がスッキリし思考がクリアになってきていると効果がみられました。

TMS20回終了時には、治療効果の自覚があり、薬を内服しやっと動けていた状態が改善していると、治療効果を実感されていました。

TMS30回終了時は、症状の安定が認められました。

30回終了後は、ご本人の希望により維持療法へ移行しました。

情動の安定とともに、ADHD特性の軽減も認められました。

症例のまとめ

治療間隔は最大で6日でしたが、1日2回治療を基本に行うことで、20回ほどで情動の安定が認められました。

情動の安定とともに主訴であるADHD特性の改善も認められ、ADHDに対してはうつ症状を伴っている場合はTMS治療は有効な選択肢と思われた症例になります。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年10月23日

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