【適応障害⑨】20代男性

プロフィール

  • 治療期間:【急性期】X年/10月~X年/12月の33日間
  • 主訴:気分の落ち込み/不眠/不安
  • TMS治療の目的:抑うつ状態、不安の改善
  • TMS治療プロトコール:aTBS(1200発×2回/日)を週2~3回

これまでの経過

学齢期より忘れ物や不注意があり、嫌なことがあると引きずる事も多かったそうです。

仕事上で不安に感じることが多く、また、薬は副作用の心配から内服したくないとのことでTMS治療を希望されました。精神科通院歴はありません。

TMS治療経過

適応障害9の心理検査の結果をご紹介します

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

医師からの治療プロトコルであった週2~3回を遵守し、週3日、1日2回治療を行いました。

10回目の診察時には、「治療後は上を向いて歩けるようになった」と気持ちの変化が見られました。

20回目の診察時は、「スッキリしてきた」「以前より人の目を気にしないようにしている」「行ったことがない店に行けて楽しむことが出来た」と更なる効果を強く実感されていました。

30回目の診察では、「調子が良い」「活動しやすくなった」「疲労感や集中力低下もよくなった」「睡眠も深くなった」と治療期間を通して前向きな発言が多くありました。

調子が良いため、30回目以降は症状が再発したら受診をされるとのことでTMS治療は一旦終了となりました。

症例のまとめ

比較的早い段階から改善兆候が見られました。

「この機会に生活リズムを作りたい」と午前中にあえて治療を行い、主訴と同時に生活の改善にも繋がった症例となりました。

TMS治療には、行動活性化の側面があることを感じさせられた症例になります。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2022年2月5日

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