【不安障害⑥】30歳男性
プロフィール
- 治療期間:【急性期】X年7月~X年8月の37日間
- 主訴:言葉が出てこない。相手の言葉が理解できない。
- TMS治療の目的:不安・集中力低下・抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回
これまでの経過
社交不安障害より抑うつ状態を呈していましたが、未治療で来られていた方になります。
薬物療法などもご案内させていただきましたが、短期間での治療をご希望のため、rTMS療法を行っていくことになりました。
TMS治療経過
※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
抑うつ状態を改善するため、1日1回治療と2回治療の組み合わせで、倍量iTBS(1,200発/回)を30回行いました。
TMS10回終了時には、「数回で頭がすっきりした。重さが取れた感じ。集中力も少し出てきた。相手の言葉も理解できるようになってきた。」と効果を実感されていました。
TMS20回終了時は、「調子悪くないと思う。維持できている。寝つきが良くなり、意欲も出てきた。」とのことでした。
TMS30回終了時は、「落ち込みや不安は軽くなった。疲れにくくなった。自分を責めることも減った。」と、気分の改善が認められました。
しばらく様子見したいとのことで、ブースター治療についてご案内し、終診となりました。
症例のまとめ
これまで未治療でしたが、rTMS療法により抑うつ状態が改善し、それとともに社交不安も軽減が認められました。
治療期間が短く社会的損失を少なくできた点を鑑みれば、薬物療法よりもrTMS療法の方が、機会損失の観点でリーズナブルに感じられた症例でした。
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年12月25日
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