cTBSとは?

短時間で脳を抑制する治療プロトコル

TMS治療機器のイメージ画像

cTBSとは、Continuous Theta Burst Stimulation(持続的シーターバースト刺激)の略で、iTBSとは同じデバイスを用いる治療になります。

iTBSが脳の活動を活性化させるのに対し、cTBSは逆に抑制させる方向に作用します。

持続的に刺激を加えることで脳の働きを抑制できるといわれており、短時間での治療が行えます。

低頻度rTMS治療と比べて、治療効果が確立できていないのがデメリットです。

cTBS治療の特徴

rTNS・iTBS・cTBSのプロトコールを図解しました。

iTBSが2秒間の刺激時間の合間に8秒間のインターバルを置くのに対し、cTBSではインターバルを置くことなく、2秒×20回分を連続して刺激を与え続けます。

このため1セッションは40秒と非常に短く、総刺激数はiTBS同様に600発になります。

cTBSは抑制目的の治療プロトコールですが、短時間で行えることがメリットになります。

他の治療法との違い

違いのイメージ画像

rTMSやiTBSが基本的にはシナプスの動きを活性化させ、脳の機能を高めることを目指すのに対して、cTBSは逆の方向の抑制に作用すると考えられています。

低頻度刺激rTMS治療と同様の効果が期待されましたが、cTBSだけでの効果は実証がほとんどなされていないのがデメリットです。

おもに他の治療法との組み合わせでの増強効果が研究されています。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年3月11日

\ この記事をシェアする /

TWITTER FACEBOOK はてな POCKET LINE

関連記事

TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説

体に負担を与えずに脳にアプローチする治療法として、近年注目を集めている「TMS治療法」。心の病気に対する、新たな治療効果が期待されています。 世界中でエビデンスが蓄積されつつあるTMS治療ですが、日本でも正式な適応が認め… 続きを読む TMS治療は怪しい?問題点と誤解を解説

投稿日:

当院のうつ病TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

治療成績 病名:うつ病 期間:2022年1月~2022年12月31日 症例数:117名(30回実施214名) 寛解率56% 反応率79%程度 2022年1月から、2022年12月末までに30回以上実施したうつ病・うつ状態… 続きを読む 当院のうつ病TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

投稿日:

当院の強迫性障害TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

治療成績 病名:強迫性障害 期間:2022年1月~2022年12月末 症例数:25名(データ:16名) 30%改善:50% 2022年1月から、2022年12月末まで1年間の全症例のうち、強迫性障害として急性期治療終了と… 続きを読む 当院の強迫性障害TMS治療成績(2022年1月~2022年12月末)

投稿日:

人気記事

子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説

「長い子育てを終えて、やっとひとりの時間ができる」 「子育て中はできなかったことを、たくさん楽しもう!」 そんな風に、子育てを終えた解放感を味わう方もいるでしょう。ですがその反面、強い喪失感や虚無感に苦しむ方も存在します… 続きを読む 子育てひと段落で喪失感?「空の巣症候群」になりやすい人と治療法を解説

投稿日:

「燃え尽き症候群(バーンアウト)」とは?なりやすい人や治療法を解説

「燃え尽き症候群(もえつきしょうこうぐん)」とは、その名の通り、それまでの意欲や熱意がまるで燃え尽きたように消失してしまう状態のことです。 もともとは意欲があった人が、突然やる気を失う。いきなりの変化に「あんなに熱意があ… 続きを読む 「燃え尽き症候群(バーンアウト)」とは?なりやすい人や治療法を解説

投稿日:

精神疾患のお薬を服用しながら運転はできる?お薬に頼らない治療法も紹介

「車がないと会社に通勤できない」 「仕事で車を運転する必要がある」 「生活するうえで、車がないと困る」 日常生活の中で、車の運転が必須になっている方もいるでしょう。 それは、精神疾患の治療をしている患者さんも同じです。お… 続きを読む 精神疾患のお薬を服用しながら運転はできる?お薬に頼らない治療法も紹介

投稿日: