piTBSとは?
3倍量TBSで効果を増強できる治療メソッド
piTBSとは、prolonged Intermittent Theta Burst Stimulation(延長間欠的シーターバースト刺激法)の略で、TBS治療法を3倍の長さで続ける治療法になります。
刺激方法はiTBSと同様で、50Hz(1秒間に50回)の超高頻度刺激を不規則に3回行っていきます。
その刺激時間を3倍にすることで、効果をより増強する方法になります。
piTBSは興奮(脳の活性化)を目的としたTMS治療になります。
iTBS治療の特徴
iTBSでは50Hzという超高頻度刺激3発を5Hz間隔で2秒間与えていきます。
各刺激のインターバル(休憩)は8秒とり、3分20秒で600発の刺激で1回のセッションが完了します。
piTBSでは3倍の時間刺激していきますので、10分で1800発の刺激で1回のセッションが完了します。
このようにpiTBSは興奮性のプロトコールになりますが、刺激時間が延びることでの目立った副作用は報告されていません。
他の治療法との違い
iTBSは、従来のrTMSと比較しても遜色ない効果が期待できることがわかっています。
piTBSは台湾の研究グループを中心に研究されていますが、通常のTBSに比べて良好な治療成績が報告されています。
【再発性うつ病に対するiTBS単療法の抗うつ効果とコイル配置法の比較:二重盲検ランダム化比較試験】
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2021年3月11日
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