【うつ病⑩】48歳女性

プロフィール

  • 治療期間:X年7月~X年8月の19日間
  • 主訴:無気力感、疲れやすさ
  • TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
  • TMS治療プロトコール:倍量TBS(1,200発/回) 30回 

これまでの経過

2015年頃に産後うつと診断され、他院に通院していました。

過去に就労支援施設にてTMS治療を経験されており、抑うつ状態が遷延しているため、当院のTMSをご希望されました。

産後うつにより、数か月前までサインバルタを内服されていました。

TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査

抑うつ状態を改善するため、1日2回治療で倍量TBS(1,200発/回)を30回行いました。

TMS10回終了時は、「まだ気分の変化はない。」とのことでした。

TMS20回終了時も、「調子は変わりない。場所や環境も変わっているので、効果があるかはよくわからない。」とのことでした。

継続するかを本人とも相談し、30回までは行っていく方針となりました。

TMS30回終了時は、「調子悪くない。落ち込み、不安共になく、頭がすっきりする感じがでた。」と、気分の改善が認められました。

遠方からの短期滞在のため、ブースター治療についてご案内し終診となりました。

症例のまとめ

家庭内でのストレスが多く、ご自宅を離れられたことが大きな変化だったようです。

20回目までは治療の効果はあまり感じていらっしゃらないようでしたが、30回までしっかりと行い、主訴の改善が認められました。

急激に表情や声が明るくなったため、躁転に注意をしましたがそのような兆候はなく、TMS治療の効果と判断しました。

カテゴリー:こころみ医学  投稿日:2021年8月26日

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