【双極性障害⑤】28歳男性
プロフィール
- 治療期間:X年3月~X年5月の82日間
- 主訴:憂鬱になる、意欲の低下、記憶力の低下
- TMS治療の目的:抑うつ状態の改善
- TMS治療プロトコール:右低頻度rTMS30分 30回
これまでの経過
1年前に転職をしましたが、半年ほどして仕事が忙しくなったことをきっかけに、ぼーっとしたり、趣味を楽しめなくなりました。
他院にて双極性障害と診断されましたが、服薬に抵抗あるためにTMS治療を希望されました。
TMS治療経過

※HAM-D・MADRSは医療スタッフが評価するうつ症状心理検査で、SDSは患者さん本人の自覚症状を評価するうつ症状心理検査
双極性障害疑いの患者さんのため、右低頻度(rTMS)での30分刺激での治療を30回実施しました。
10回目終了時には、「良い感じ。やってみたいことが出てきた。ただ、TMS受けた直後はいいがその後落ちる感じもある。」と、治療直後は効果も感じつつ、持続しないことを不安に思っていました。
20回目終了時には、「調子悪くない。普通に日常生活を過ごせている。趣味のゲームも楽しめる。」と徐々に安定してきました。
30回目終了時には、「調子良い。復職予定です。」と症状の改善を認めました。
治療後のフォローとしては、維持療法やブースターTMSについて情報提供した上で、一度終診となりました。
症例のまとめ
双極性障害の疑いがあったために、右低頻度刺激でのTMS治療をおこないました。
自由診療で広く行われているiTBSは、双極性障害では効果が否定された報告もあり、診断をしっかりと行った上で、適切なプロトコールを選択することが大切であることを感じた症例になります。
カテゴリー:ブログ 投稿日:2021年9月2日