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rTMSの臨床的有効性と安全性

TMS治療と双極性障害のページに引用しています。

双極性障害では右DLPFCが有効

こちらの論文では、2016年に発表された時点でのメタアナリシスになります。

双極性障害でのうつ状態に対するTMS治療について、その全体のTMS治療の効果やプロトコールによるTMS治療の効果について調べています。

治療群と偽治療群を比較すると、

  • 治療群:47/106、44.3%
  • 偽治療群:19/75、25.3%

このようになっており、NNTは6となっています。

これはTMS治療によって、6人の患者さんのうち1人が治療できることを意味します。

このようにみると少なく感じるかもしれませんが、実際にはプラセボ効果や心理療法などが加わり、より良い結果が期待できます。

抗うつ剤でも一般的に、NNTは5といわれていますので、うつ病に対する効果とほぼ同等といえます。

ここでは、どの刺激方法が一番効果的かも検証されています。

右DLPFCへの低頻度刺激はNNT3、左DLPFC高頻度刺激はNNT7となっており、右DLPFCがターゲットとしては良いかもしれないという結論となっています。

しかしながらサンプル数も少なく、実際には躁症状の程度やリスクを考えながら治療方法を検討していくことが多いです。

論文のご紹介

急性双極性うつ病での安全性と有効性を調べた研究のご紹介

英語原文は、こちら(Pub Med)をご覧ください。以下、日本語に翻訳して引用させていただきます。

双極性障害は、躁病/軽躁病のエピソードによって特徴づけられるが、うつ病のエピソードが最も患者の負担となっている。

残念なことに、双極性障害の治療法はほとんど存在せず、多くの患者が治療に反応しないか、あるいは忍容性に問題を抱えているのが現状である。

したがって、安全で効果的な新しい治療法が緊急に必要とされている。

反復的経頭蓋磁気刺激(rTMS)などの神経調節療法は、大うつ病患者のうつ病エピソードの治療に有効であることが無作為化二重盲検偽治療対照試験(RCT)で証明されている。

しかし、rTMSの抗うつ効果が双極性うつ病にまで及ぶかどうかは不明である。大うつ病を対象としたrTMSのRCTの多くには双極性うつ病患者も含まれている。

そこで我々の目的は、双極性うつ病におけるrTMSの臨床的有効性と安全性に関するデータを統合するために、無作為化試験に含まれる双極性患者を特定しrTMSの文献を系統的にレビューすることであった。

文献レビュープロトコルをPROSPERO(CRD#42015017089)に登録し、大うつ病におけるrTMSのシステマティックレビューを検討し、MEDLINE、EMBASEおよびCENTRALで2015年7月11日までに出版された英語の出版物を検索した。

我々は、双極性うつ病患者を治療群と偽治療群の両方に無作為に割り付けた5セッション以上のrTMSの無作為化二重盲検偽治療対照試験を対象とした。

双極性障害の患者を含まないRCT、臨床反応率が報告されていないRCT、または治験担当医師との連絡が取れないRCTは除外した。

データはComprehensive Meta-Analyses Version 2.0(Biostat, Englewood, NJ, USA)を用いて合成した。

Intention-to-treat(ITT)データはランダム効果モデルを用いて解析した。有効性はリスク差(RD)と治療必要数(NNT)で調査した。

詳細な方法、表、図を含む補助資料は著者に連絡することで入手可能である(alexander.mcgirr@alumni.ubc.ca)。

合計19のRCTをメタ解析(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19)に残し、それらは双極性障害患者合計181名(I型;N=40、II型;N=20、不特定;N=121)を対象としていた。

RCTでは異なる刺激ターゲットが用いられた:左背外側前頭前野(DLPFC)1,2,3,4,5,6,9,10,11,13,16,17、右DLPFC8,14,15,18、または両側DLPFC7,12,17,19。

大多数の研究では、高頻度刺激(HFS)1、3、4、5、6、9、10、11、12、13、16、18が実施されたが、一部の研究では低頻度刺激(LFS)3、8、9、15、18、LFSおよびHFSの連続刺激7、17、19、またはシータバースト刺激(TBS)2、14、17が実施された。

治療群の患者は、偽治療群の患者と比較して、試験終了時に臨床効果を達成した患者が有意に多かった(47/106、44.3%、vs. 19/75、25.3%;RD=0.18、95%信頼区間: 0.06-0.30、p<0.01)。

これは、NNTが6(95%信頼区間:4~15)であったことを示している。

フェールセーフNは29であり、この所見を統計的に有意ではないものとするためには、29件のmissing studyまたはnull studyが必要であることを示唆している。

ファンネルプロットを検討したところ、RD=0では負荷が大きく、非対称な分布を示した。

方法論的にかなりの不均一性があるにもかかわらず、統計的には不均一性の証拠はなかった(Q=19.99、df=22、I2=0.00、p=0.58;Egger’s intercept=-0.36、t(21)=0.42、p=0.67)。

生理学的効果が異なるため、最適な刺激ターゲットとパラメータはrTMSにおいて重要な考慮事項である。

我々は、区別の目安になるターゲットの有効性に対する傾向を観察した(Q=5.72、df=2、p=0.057)。

実際、右DLPFCを標的としたRCTでは、治療群の9/15(60.0%)が臨床効果を示し、偽治療群の1/15(6.6%)と比較して優れた有効性が示された。

これはRDが0.48(95%信頼区間:0.17-0.78、p<0.001)、NNTが3(95%信頼区間:2-6)であったことを示している。

左DLPFCを対象としたRCTもプラセボとは分離しており、偽治療群の15/50人(30.0%)は臨床的奏効を達成した(RD=0.16、95%信頼区間:0.00-0.31、p<0.05)のに対し、治療群の33/68人(48.5%)が臨床効果を示した。

このRCTのNNTは7(95%信頼区間:4-112)であった。

両側刺激を採用したRCTでは、治療群と偽治療群の分離は観察されなかった(5/23、21.73% vs. 3/14、21.42%、p=0.68)。

刺激パラメータに基づく有効性の差は観察されなかった。

双極性うつ病の管理において治療期間中に感情が切り替わる問題は重要かつ議論の余地があり、ニューロモデュレーション法にも関与してくる。

我々が観察したところ、治療期間中に感情が切り替わる割合は非常に低く、治療群でリスクが増加することはなかった(1/106、0.9% vs. 1/75、1.3%、p=0.97)。

本質的には予備的であるものの、我々の分析では、rTMSは急性双極性うつ病の安全で効果的な治療オプションである可能性が示唆されている。

有効性の程度は、表面的には大うつ病性障害の患者で観察されたものと同程度であるように思われる。

実際、臨床効果の全体的なNNTは6であり、大うつ病性障害におけるrTMSのメタアナリシスで報告されたNNTと同等である。

抑制性のLFSまたはTBSを用いて右DLPFCを標的としたプロトコルは特に有効であるかもしれない。

しかしながら、これは少数の試験に基づいており、偽治療反応率が低いことに影響されているため、さらなる調査が必要である。

残念なことに、双極性うつ病を対象とした2つのRCTは、合計25人の患者を対象としているが、臨床反応や治療プロトコルが公表されていないか、あるいは治験担当医師とのやりとりで入手できなかったため、対象とすることができなかった。

その他のバイアスとしては、RCT間の方法論の不均一性、RCTの数と患者の数が限られていることなどが挙げられる。

さらに、双極性うつ病のデータの入手は、大部分が治験担当医師とのやりとりに依存しており、このデータへのアクセスに成功したことに関連したバイアスが残っている。

本研究は、我々の知る限りでは、急性双極性うつ病の治療におけるrTMSのRCTのメタ解析を行った最初の研究である。

我々は、大うつ病治療におけるrTMSの偽治療対照RCTに双極性障害患者を含めることで、181人の患者を同定した。

我々の分析から、rTMSは急性双極性うつ病の治療において有効かつ安全である可能性があり、治療期間中の感情の切り替わりとは関連していないようである。

さらに、rTMSの有効性を確認するためには、双極性うつ病を対象とした大規模な偽治療対照RCTが必要である。

カテゴリー:ブログ  投稿日:2021年2月4日

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