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勉強ストレスとプレッシャー。受験生が抱える「受験うつ」とは?

受験のプレッシャーからうつ状態になると、勉強がすすまなくなって悪循環となってしまいます。

真面目な人ほどプレッシャーがかかり、頭が働かなくなって集中力が低下して、苦しくなってしまいます。

お薬での治療は効果に時間がかかり、お薬によっては短期的な認知機能に影響することもあります。

それに対してTMS治療は、効果が短期間で期待でき、認知機能への影響はなく副作用が少ないです。

ですからTMS治療は、いわゆる「受験うつ」には非常によい適応になります。

ただし受験生のうつには様々な要因があるので、TMS治療が効果的かどうかは専門家の判断が必要です。

10代の精神科受診が増加

ブレインフォグのイメージ画像

あらゆる世代が発症する可能性のあるうつ病ですが、なかには「うつ病は仕事や育児で多忙な大人がかかるもの」というイメージを持っている方もいるでしょう。

ですが、多感な10~20代前半がうつ病を発症する場合も大いにあるのです。

厚生労働省の患者調査によると、24歳以下が精神疾患で外来診療を受けた数は、平成17年は27.2万人でした。

それが、平成26年は36.3万人、平成29年は38.5万人と、年々増加傾向にあります。

若い方が精神科や心療内科を受診することは、近年では決して珍しくないと言えるでしょう。

若者の心の病気は、その原因の判断が難しく、思春期特有の心の動きも考えていく必要があります。

また若くしてうつ症状になること自体が、「双極性」を示唆する所見の一つになりますので、双極性障害についても慎重に考えていく必要があります。

受験生が抱える「受験うつ」

それでは受験生が抱える、いわゆる「受験うつ」についてみていきましょう。

「中学受験・高校受験・大学受験」の受験期は、勉強のストレスやプレッシャーでストレスを感じる方が多く、心身の調子を崩しやすい時期でもあります。

そんな受験期に「うつ状態」「うつ病」になるのを、「受験うつ」と通称されています。

もちろん「受験うつ」は病名ではないため、その名前で診断は下りません。

ただ、受験のストレスをきっかけに「うつ状態」「うつ病」を発症する可能性はあるのです。

そして若くしてうつ状態を発症することは、双極性障害の可能性も考える必要があります。

双極性障害は、何らかの脳の機能的な異常が背景にあって、受験ストレスを機にバランスが乱れ、うつ症状として発症する可能性もあります。

どちらにせよ、「病的なエネルギーの低下」であるうつ症状になってしまうと、医療機関で治療を受けていく必要があります。

「気持ちを切り替える」「やる気を出す」などの方法では症状の緩和は難しく、お薬やTMS治療によって脳のバランスを整える必要があります。

軽く見られがちな受験生の不調

受験生が抱える不調は、大人の不調と比べてどうしても軽く見られてしまいがちです。

なかには、「受験うつは怠け」と考えている方もいるでしょう。

しかし、大人であっても子どもであっても、心身の不調を抱える可能性は同じようにあります。

  • 勉強のやる気が出ない
  • 期待通りに成績が上がらない
  • 周りの受験生と自分を比べて焦ってしまう
  • 親や教師の期待がつらい

こういった感情は、受験生の多くが感じています。

だからこそ、「よくあることだ」「みんな通っている道だ」と、周りの大人が流してしまう場合があるのです。

しかしながら当事者の立場に立てば、そのストレスは非常に大きいですし、積み重なることでうつ症状に発展することは想像に難くないかと思います。

受験うつでよく見られる症状

うつ病の症状は、主に「体の症状」「心の症状」にわけられます。

それは受験期のうつ病でも同じで、よく見られるのは以下の症状です。

体の不調

  • 食欲が落ちた。または過食になった
  • 寝たいのに眠れない。夜中に何度も目が覚めてしまう
  • 体がだるくて朝起きられない
  • 強い倦怠感を常に感じている
  • 心の不調

  • 勉強したいのにイライラして手につかない
  • 不安で落ち着かない
  • 頭がぼんやりして問題を読み進められない
  • しばらく心が晴れることがない
  • すべてのことが悲観的で自分が悪く思える
  • 「死にたい」「ここから逃げたい」と感じる

うつ状態やうつ病の症状は、人によっても大きく変わります。

「この症状が出ていないからまだ大丈夫」と決めつけずに、自分の心身の状態としっかり向き合うことが大切です。

受験うつの原因は?

うつ病の発症にはさまざまな原因があり、ひとつに決められるものではありません。

特に過敏な思春期では、成人よりさらに多様な原因が考えられます。

なかには、思春期の心性やこころの発達過程が影響し、大人には見えない困難を抱えている子もいるでしょう。

  • 勉強のストレス
  • 親や教師からのプレッシャー
  • 競争社会での疲弊

もちろん、上記のような受験に関わる出来事が原因になる場合もあります。

しかし、受験期にうつ病を発症したとしても、必ずしも受験が原因であるとは限りません。

  • 人間関係の悩み
  • 将来への不安
  • 容姿や体型の悩み
  • 家庭内での悩み

多感な時期である10代~20代前半は、周りの大人にとっては些細なことが深刻な悩みになり得ます。

成人と同じように自身の状態を正しく理解して、言葉にできないことも少なくありません。

また、背景には何らかの精神疾患や特性が隠されていることがあります。

  • 双極性障害などの気分の波
  • 統合失調症などの精神疾患
  • 発達特性
  • パーソナリティ特性
  • 思春期の心性(特有の心の動き)

こういったことが原因となることがあり、若者の気分の不安定さは、慎重に判断する必要があります。

受験うつの治療方法

記事の冒頭でも触れましたが、診断名として「受験うつ」は存在しません。

受験期に発症する「うつ状態」や「うつ病」を、通称として受験うつと呼んでいます。

うつ病の治療法は、大きく以下の4つにわけられます。

  • 休息
  • 薬物治療
  • 心理療法(精神療法)
  • その他の治療

急がば回れ

「休息」は、うつ病の治療を行う際の基本です。

ゆっくりと心身を休ませることが、不調を回復させる第一歩です。

そうはいっても勉強をしないことは不安になってしまいますので、「疲れすぎない」ことを心がけて、頭が働かなくなったら生産性も落ちてしまうので、無理をしないようにしましょう。

よかれと思って、「勉強しなくていいの?」「周りに置いて行かれるよ」と声をかけたくなる保護者もいるでしょう。

しかし、休息時にプレッシャーをかけては、なかなか心身は回復できません。

一番焦っているのは本人だと理解して、具合が悪そうなときは風邪をひいていると同様に、遠くから見守ることも休息のためには必要です。

基本のお薬の治療

「薬物治療」は、主に抗うつ剤を服薬しての治療です。

抗うつ剤を服用することで落ち着くことはあるのですが、心身ともにまだ成長中の受験期の子どもに対しては、安易な服薬は勧められません

抗うつ剤が未成年に効果があるかは、専門家の中でも議論がされています。

大規模な研究調査では、フルオキセチンという日本未発売の抗うつ剤以外は、有効性と忍容性でメリットがないとされています。

【小児および青年期の大うつ病性障害における抗うつ剤の有効性と忍容性の比較:ネットワークメタアナリシス】

治験によって青年期でのうつ病に効果を示すことができたのは、

  • ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)
  • レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)

これらのSSRIのみになります。

このような背景には、若者のうつ状態には様々な原因が重なっていて、心理的な要因が多かったり、背景に他の原因が隠されていることが多いことを意味しています。

もちろん病状によっては、抗うつ剤が効果を発揮することも十分あります。

賦活症候群に注意が必要

しかしながら若者に抗うつ剤を使っていく際には、「賦活症候群(ふかつしょうこうぐん)」に注意が必要です。

賦活症候群は「アクチベーション・シンドローム」とも呼ばれ、抗うつ剤の服薬により不安や焦燥感が強まったり、「怒りっぽくなる」「喋りすぎる」などの躁状態になることです。

その中で希死念慮が強まったり、衝動的な自殺行動のリスクが高まるとして、「24歳以下では注意をすること」という注意喚起がお薬の添付文章になされています。

この賦活症候群には、大きく4つの状態が関係しているといわれています。

  • アカシジア症状(ソワソワして落ち着かない)
  • 躁状態や混合状態の誘発
  • ADHDや行為障害などの顕在化
  • うつ状態の悪化

このような症状が認められた場合は、まずは抗うつ剤を減量中止して、その原因を推測する必要があります。

抗不安薬を併用したり、気分安定薬に切り替えたり、鎮静系抗うつ剤に変更など、状況によって判断していきます。

地道な心理療法も大切

「心理療法」は、自分の気持ちと向き合いストレスの対処法を学び、再発防止を防ぐ目的で行われます。

学校現場で働く「スクールカウンセラー」も、精神療法によって子どもや保護者の心のケアを行っています。

医療機関の受診に抵抗を感じる場合は、まずスクールカウンセラーに相談してみるのもいいでしょう。

心理療法は、うつ状態がひどい場合に行うと悪循環となってしまうこともあります。

まずはうつ状態を改善して、落ち着いてから心理療法を行っていくことが大切です。

その他の治療

「その他の治療」には、「運動療法」や「高照度光療法」などさまざまな治療法があります。

当院で受けられる「TMS治療」もここに含まれます。

受験うつへのTMS治療

TMS治療のメリットは、

  • 短期集中治療が可能
  • 認知機能低下など副作用が少ない
  • 薬なしで再発予防ができる

といった点が挙げられます。

短期集中治療により早い効果が期待でき、薬による副作用が少なく、良くなった後の再発予防も薬なしでも可能となります。

薬物治療では副作用で一時的に認知機能が低下する場合がありますが、TMS治療ではその心配がないので、受験生にとっては治療のメリットになるかと思います。

またTMS治療は、若い人の方が効果が期待しやすいことがわかっています。

デメリットとしては、医療機関によっては治療費が高額になる、短期ではあるが集中的に通院が必要となることがあげられます。

安心してTMS治療を受けるためには、なによりも本人が治療に納得する必要があります。

保護者が無理に治療を受けさせることは、医師として避けていただきたいです。

うつ病とTMS治療

短期集中治療

受験生の方は、自分の心を一番に

受験期のストレスは、自分で思っている以上に心身の不調を引き起こす可能性があります。

「これくらいみんな耐えている」と我慢せずに、自分の心身と向き合い、ストレスを上手に発散することが大切です。

そのためには、自分に合ったストレスコントロールの方法を身につける必要があります。

  • 人に話を聞いてもらう
  • 同じ悩みを持つ人と気持ちを共有する
  • 自分の趣味の時間を1日のどこかに取り入れる
  • 食事や睡眠環境を整える

ストレスの解消法は、人によって様々な方法があります。

「なにをしているときに癒されるのか」「なにを言われたら嫌な気持ちになるのか」など、自分の心の動きを確認しながら、しっくりくる方法をぜひ探してみましょう。

また、ストレスの原因を考えて、原因自体を取り除くことも重要です。

親や教師のプレッシャーが重いと感じるなら、「プレッシャーを感じていると伝える」「第三者の大人に相談する」「自分に合った第一志望を目指す」などの方法があるでしょう。

ストレスの元を除去することで、心身の健康に繋がります。

自分では対処できないと感じたら、ぜひ専門機関に相談してください。

特に「眠れない日が続いている」「頭が思うように働かない」などの不調が出ている場合は、適切な治療が必要な可能性が高いです。

ご家族・保護者の方へ

受験期を過ごす子どもたちは、大人が想像している以上にストレスを抱えています。

「期待しているよ」「今日は勉強したの?」などの声かけが、お子さまのプレッシャーになる可能性もあるのです。

また、うつ状態の若年発症は、双極性障害の可能性も少なくありません。

お子さまの不調に早期に気づき、重症化する前に医療機関に相談することが大切と言えるでしょう。

そして子どもにとっては、大人の一貫性のない態度は混乱を呼びます。

「この前はこう言ったのに、今日は違うことを言っている」と不信感を抱いてしまうと、大人に相談せず自分の中に悩みをため込んでしまう可能性もあるでしょう。

なかなか難しいですが、お子さまへの発言や態度に一貫性を持つことをぜひ意識していただき、感情的な行動をとってしまったら、後から修正するように心がけていただけると良いかと思います。

さらに大切なのは、お子さまをしっかりとほめることです。

お子さまが自発的に良い行動した際は、ぜひ声をかけるようにしましょう。

具体的に、ほめ方をプロセスにわけてみましょう。

  • 努力の過程を見る 例:「いつもがんばっているね」
  • 過程を評価する 例:「ここまでコツコツやってきたもんね」
  • 結果をほめる 例:「努力した結果がちゃんと出ているね」
  • 結果に共感する 例:「うまくいって私もうれしいよ」
  • 期待をこめる 例:「次のテストも頑張ろうね」

ここで抜けがちなのが、「2.過程を評価する」と「4.結果に共感する」です。

受験期は、ついテストの点数などの目に見える結果に意識が向いてしまいます。

ただ、結果が出るまでの過程は、お子さまが必死に努力してきた道のりです。

結果がどうであれ、過程に対してもしっかりと評価することが、受験期のお子さまのメンタルケアには大切です。

また、すぐに期待をこめてしまうと、重圧がかかってしまいます。

いま上手くできていること、結果として出ていることを共感することが大切です。

そのうえで期待を込めることで、「続けて頑張ろう」という内的なモチベーションとなります。

ストレスは一般的に、増加する要素よりも減少する要素の方が3倍インパクトがあるといわれています。

「サポートしてくれている」、「家族の理解が得られている」、「家族がわかってくれている」と感じられることで、ストレスは大きく軽減します。

ぜひ本人の視点に立って、関わり方を振り返っていただけたら幸いです。

TMS治療をご検討の方へ

安心してTMS治療を受けるためには、信頼できる医療機関を選びがとても大切です。

「心の診療経験が十分か」「治療費は適切か」「信頼性の高い機器を使用しているか」など、確認できるポイントを医療機関のホームページなどでチェックするといいでしょう。

また、無理なく治療を継続するためには、自宅からの通いやすさも重要です。

当院は都心から15分圏の「武蔵小杉駅」にあります。TMS治療をお考えの方は、ぜひご検討ください。

執筆者紹介

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大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医

カテゴリー:ブログ  投稿日:2021年3月19日

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